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翼の破れたからす(2)

时间: 2022-11-26    进入日语论坛
核心提示:やがて、日ひが暮くれかかると、からすの群むれは、いくつも西にしの空そらをさして、帰かえりました。そして、北きたの海うみの
(单词翻译:双击或拖选)
 
やがて、れかかると、からすのれは、いくつも西にしそらをさして、かえりました。そして、きたうみのあるほうの、そらが、あかるかったのであります。
見覚みおぼえのあるからすのれは、あたまうえぎたのでした。そして、つばさのいたんだ、あわれなからすは今日きょうはみんなから、ずっとおくれて、わずかにそのれつくわわっていたのでありました。
かれは、あわれなからすが、みんなから、まったく、おくれてしまいはせぬかと、気遣きづかいながら、いつまでもそのれのとおく、とおく、えなくなるまで見送みおくっていました。そのうちに、まったく、そのれはえなくなってしまいました。
明日あすは、どうだろう?」
太郎たろうは、このとき、そうおもわずには、いられませんでした。
そして、そのあくるがたとなりました。太郎たろうは、うちまえって、同情どうじょうちたひとみげて、あわれなからすのくわわっている、そのれつのくるのをっていました。やがて、そのれつはやってきました。しかし、あわれなきずついたからすの姿すがたは、えなかったのです。かれは、そのかずかぞえてみました。たしかに、あわれなからすのかず一つだけがりなかったのであります。
「あのからすは、どうしたろう?」
太郎たろうむねは、かなしさにいっぱいになりました。かわいそうでならなかったのでした。
「あのからすは、どうしただろうか?」
そのあくるも、かれは、そと往来おうらいって、からすのれを見送みおくりました。やはり、あわれなからすの姿すがたはそのれつには、なかったのでした。おそらく、それは、永久えいきゅうに、られないようながしたのでした。
にち太郎たろうは、学校がっこうで、幾人いくにんかのともだちとおにごっこをしてさわいでいました。そのとき、一人ひとりが、ベンチにつまずいて、片足かたあしほねくだきました。みんなは、大騒おおさわぎをしました。不幸ふこうともだちは、うちかえりました。そして、医者いしゃにかかりました。
翌日よくじつ学校がっこうへいってみると、そのともだちは、学校がっこうやすんだのでした。
「かわいそうだね。」と、太郎たろうは、ほかのともだちどうしと、不幸ふこうともだちの災難さいなんあわれみました。
太郎たろうは、このとき、人間にんげんは、こうしてきずけると医者いしゃにかかることができるが、あのからすのように、つばさきずつけたら、からすは、どうしたらいいだろうかとおもいました。
ふゆわりごろから、はるのはじめにかけては、よく雨風あめかぜのつづくことがあります。こうしてやまゆきけるのでした。
二、三にち、はげしいあめり、かぜきすさみました。こんなには、からすは、いつものようにれつつくって、んでかえることができませんでした。そして、おもおもいに、雨風あめかぜなかかえってゆきました。
太郎たろう学校がっこうへゆくと、あしをいためたともだちはもうなおってきていました。そして、うれしそうにみんなといっしょにあそんでいたのでありました。
「からすは、つばさをいためても、医者いしゃにかかってなおすこともできないだろうし、どうするだろうか? あのように、あめや、かぜのはげしいには、どこに、どうしているだろうか?」
太郎たろうは、あわれなからすについて、おもわずにいられなかったのです。かれは、あわれなからすを、もう永久えいきゅうることがないとおもっていました。
おいおい、はるめいてまいりました。かぜあたたかになりました。ある晩方ばんがた太郎たろうそとあそんでいますと、西にしほうそらは、あかいろづいていました。そして、しずかにしずみ、くもいろも、木立こだちかげも、さけにでもうているようでありました。ちょうど、このとき、からすのれが、あたまうえんでゆきました。太郎たろうは、それをると、いつかのつばさをいためたからすが、みんなといっしょに元気げんきよくんでゆくのでありました。
かれは、それをて、どんなに、意外いがいに、またうれしくおもったでしょう。
「あ、あのからすも、あんなによくなった。」といって、をたたいてよろこびました。
「カア、カア。」と、からすはいて、西にしあかそらうちへ、だんだんとちいさく、えてゆきました。
このから、この地上ちじょうには、幸福こうふくまれたようにおもわれました。一に、木々きぎのつぼみはふくらみ、さきは、いろづきました。もう、ふゆは、どこかへげていって、はるがやってきたのです。
そのころから、晩方ばんがたになると、からすがひがしそらから、西にしんでゆくのに、また、みなみそらからは、きたへ、しろい、しろい、かもめのれがれつつくってんでくるのをました。かもめは、さむい、さむい、ところをこいしがってたびをつづけるのでした。一むらうえきたぎていったかもめは、二かえってきませんでしたが、からすのれはやはり、あくるも、また、太郎たろうあたまうえとおるのでありました。
 
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