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鳥鳴く朝のちい子ちゃん(2)

时间: 2022-11-28    进入日语论坛
核心提示:ちい子こちゃんは、お説教せっきょうのあとで、子供こどもたちが、幾組いくくみかに分わかれて、先生せんせいから聞きくお話はな
(单词翻译:双击或拖选)
 
ちいちゃんは、お説教せっきょうのあとで、子供こどもたちが、幾組いくくみかにかれて、先生せんせいからくおはなしをたのしみにしていました。
「まささんや、とみさんは、どこにいらっしゃるだろう。」と、ドアのすきまから、うちをのぞいたのです。けれども、みんながあちらをいて、おなあたまをしているので、よくわかりませんでした。高窓たかまどいろガラスからながれる、むらさきや、あお光線こうせんは、不思議ふしぎゆめくにおもわせました。かべにかかっている、いつもにこやかなおかおのマリアさまは、をさしのべて、みんなのあたまをなでていてくださいました。ちいちゃんは、びっくりしました。
「おばあちゃん、おんも……よう。」と、このとき、ぼうやが、わめいたからです。みんなは、だまって、牧師ぼくしさまのおはなしいているのに、ぼうやだけは、わからないから、そとたいというのでした。
「おとなしく、じっとしていらっしゃい。」と、おおきなこえで、おばあさんが、いっています。
きゅうに、この二人ふたりこえで、ほかのひとたちは、牧師ぼくしさまのこえが、みみはいらないので、こまっているようすでした。
「おばあちゃん、おんもよう。」と、ぼうやは、こしかけからがって、すねています。
そとへ、いくのかい。」
みんなが、おばあさんのほうをふりきました。しかし、おばあさんは、平気へいきなものです。
「どうぞ、しずかにしてください。」
牧師ぼくしさまは、たまりかねて、おばあさんに注意ちゅういなさいました。
「さ、さ、おんもへいきましょう。」と、おばあさんは、まごいて、ドアのほうへやってきました。
「あら、小西こにしのおばあさんだわ。」と、ちいちゃんは、をまるくしました。
小西こにしのおばあさんは、つんぼで、ひとのいうことが、よくきこえぬのです。だから、自分じぶんも、おおきなこえして、なんともおもわなければ、また、みんなに迷惑めいわくをかけることもわからないのでした。
おばあさんが、ぼうやをつれて、ドアのそとましたから、そこにっていた、ちいちゃんは、おじぎをしました。
「だれかとおもったら、ちいちゃんですか、あんたは、いまいらしたの。」と、おばあさんは、おおきなこえでいいました。
「きれいに、だれがかみをゆってくだすったの。」
「おかあさん。」と、ちいちゃんは、こたえました。
「まあ、あかいリボンをつけて。」
おばあさんのこえが、よくへやのうちこえるので、みんなが、こちらをいています。
ちいちゃんは、きまりがわるくなりました。
ぼうや、おいで。」
ちいちゃんは、ぼうやをつれて、教会堂きょうかいどう横手よこてほうへいきました。そこには、さくらがあって、はないていました。こしかけや、すべりだいなどがありました。
もう、はなが、ちら、ちらっています。ぼうやは、それをひろっていました。
ぼうや、すわると、おべべが、よごれるよ。」
おばあさんが、おおきなこえでいいました。ちいちゃんは、ここなら、みんなのおじゃまにならぬとおもって、安心あんしんしていました。
ちいちゃんが、ベンチにこしかけていると、おばあさんが、そばへきて、
「あんたのおくつはあたらしいの、いつってもらったの。」と、きました。
「こないだ、学校がっこうがったときよ。」と、ちいちゃんは、こたえました。
「いま、おくつは、おたかくなったんでしょう。」と、おばあさんは、いろいろのことをはなしました。ぼうやは、ひろったはなびらを、またまいていました。はなびらは、ひらひらとしろいちょうちょうのように、かぜいました。
「ちいちゃん、あんたわすれたでしょう。ちいさいとき、みちあるいていて、まえへいくよそのおねえさんをて、おかあさん、あんなくつよ、わたしほしいわといったことを。そのおねえさんのくつは、かかとのたかい、さきのとがった、ハイカラのおくつで、ダンサーか、女優じょゆうさんのはくくつで、あんたが、そういったものだから、とおひとがみんなたのでそのおねえさんは、きまりわるがってどくだとおかあさんが、おっしゃいました。」と、おばあさんが、いいました。
「おばあさん、ハイヒールでしょう。」
「そう、そう、そのハイヒールとかいうくつです。ちいちゃん、くつはあんなのより、やはりこうした、かかとのたいらな、すこしおおきいくらいのがからだのためにいいのですよ。」
おばあさんは、たいくつなもので、だれとでもはなしたかったのです。
「ちいちゃん、そんなことおぼえていますか。」
「わたし、わすれたわ。」
「みんなちいさいときのことは、わすれてしまうものかね。」
そのとき、ぼうやは、ひとりであるいて、教会堂きょうかいどうもんから、そとほうていこうとしていました。これをつけた、おばあさんは、
「あ、ぼうや、ひとりでいっては、あぶないよ。」と、もう、ちいちゃんのことなどわすれて、ぼうやのあとっていきました。
「ほんとうに、わたし、そんなことがあったかしらん。」
ちいちゃんは、いまごろ牧師ぼくしさまのお説教せっきょうわって、先生せんせいのおはなしがはじまる時分じぶんだとおもって、ドアのほうへ、足音あしおとかるあるいていきました。そして、しずかになかはいっていきました。ちいちゃんは、かわいいおじょうちゃんです。
 
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