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はたらく二少年(1)

时间: 2022-12-04    进入日语论坛
核心提示:はたらく二少年小川未明新あたらしい道みちが、つくりかけられていました。おかをくずし、林はやしをきりひらき、町まちの中なか
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はたらく二少年

小川未明


あたらしいみちが、つくりかけられていました。おかをくずし、はやしをきりひらき、まちなかとおって、そのさきは、はるかかなたの、すみわたるそらなかへのびています。そこには、おおぜいの労働者ろうどうしゃが、はたらいていました。
トロッコが、ほそいレールのうえはしりました。みちばたには、おおきな土管どかんがころがり、くだいたいしや、じゃりなどが、うずたかくつまれていました。
はたらくもののなかには、としをとったものもいれば、まだわかいものもいました。かれらはシャベルでほったつちをトロッコへなげこんだり、つるはしをかたい地面じめんにうちこんで、みぞをつくったりしました。こうして、しごとをするあいだは、たがいにくちをきかなかったけれど、自分じぶんをなぐさめるために、無心むしんうたをうたうものもありました。
やがて正午しょうごになると、ちかくの工場こうじょうから、汽笛きてきがきこえます。すると一どうやすめて、昼飯ひるめしべる用意よういをしました。それからの一時間じかんは、はたらく人々ひとびとにとって、なによりたのしかったのでした。
二人ふたり少年しょうねんは、いしへこしかけて、あきちかづいたそらをながめていました。
「そんなら、ケーくんはちいさいときに、いえたんだね。」と、エヌがいいました。
「そう、母親ははおやがなくなると、父親ちちおやはちっともぼくたちをかまってくれなかったから、どこかへいけば、母親ははおやのかわりに、やさしくしてくれるひとがあろうかとおもってね。」と、ケーこたえました。エヌはうなずきながら、
「わたしは、ちょうどきみとははんたいで、父親ちちおやかおをおぼえていない。まったく母親ははおや一つで、おおきくなったのさ。そのははだすけもできぬうちに、ははんでしまった。」
かんがえると、二人ふたりとも不幸ふこうだったんだね。」
なかには、両親りょうしんがそろって、こんなかなしみをらないものもあるんだが。」と、エヌはたばこにをつけました。
「それでもまだきみには、やさしいおかあさんがあったからいい。さびしいときは、いつでもおもかげをおもいだして、自分じぶんをなぐさめることもできるから。」といって、ケー自分じぶんどものころのことをはなしたのでした。

いつも、ぼくはさびしいどもだった。ある桑畑くわばたけで、いくたりかのおんなくわをつんでいるのをた。なんでもそのはどこかの養蚕地ようさんちへおくられるというのだった。むすめもいれば、おばさんもいた。そのなかに、しろぬぐいをかぶった、やさしそうなおばさんがあった。ぼくは、こんなようなおかあさんがおればいいになあと、なんとなく、したわしいがして、そのそばへいって、くわをつむてつだいをした。おばさんは、ぼくのあたまをなでてくれた。
このおばさんは、いいこえうたをうたった。そのこえをきくと、ぼくはかなしくなってしぜんにからなみだがながれた。そして、おばさんがからへかわるたびに、ぼくはかごのかたすみをってやった。みんなのまえで、はずかしいのをがまんして、すこしでもおばさんのだすけになろうとおもった。
そのあくる桑畑くわばたけへいくと、もうここの仕事しごとはおわって、みんなが、ひるすぎはかえるのだという。ぼくは勇気ゆうきして、
「おばさんのおうちは、どこなの。」ときいた。
「ぼっちゃん、とおいのですよ。あっちの港町みなとまちです。もし、あっちへいらしたら、およりくださいね。わたしのうちは、停車場ていしゃじょうのすぐまえですから。」と、おばさんがおしえてくれた。
それからのちも、ぼくは桑畑くわばたけへいったがまったくひとかげがなかった。きたほうへたれさがる水色みずいろそらをながめていると、どこからか、ほそい歌声うたごえがきこえるようながして、ただぼんやりたたずんだ。
ついに、ぼくは、あるのこと、ほこりをあびながら、しろくかわいた街道かいどうあるいていった。港町みなとまちへいけば、おばさんにあえるとおもったのだ。いつしか夕日ゆうひ松林まつばやしなかにしずみかけた。もうあしはつかれて、これからさきへいくことも、またもどることもできなくなって、みちばたでないていた。そのとき、そこをとおりかけた自転車じてんしゃが、ぼくをるとふいにまって、
「おい、ケーぼうじゃないか。」と、こえをかけた。
それは、近所きんじょのおじさんだった。
「どうして、こんなところへきた。おとうさんといっしょか。」と、おじさんはきいた。
ぼくがあたまをふると、おじさんは、ふしぎそうに、ぼくをるので、
うみたい。」と、ぼくはいった。
「あはは、ばかめが。うみまでまだたいへんだ。さあ、はやくこれにのれ。いっしょにいえまでつれていってやるから。」と、おじさんはうしろへぼくをのせると、はしりだした。

エヌくん、こんなようなことも、あったんだよ。」と、ケーがいいました。
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