ます。しかし、お父さんの大工すがたは、ほとんど見たことが
ありませんでした。お父さんは、帰ってきたら、すぐにごはん
を食べ妹をおふ呂に入れ、テレビを見ています。お父さんが、
どんなふうに仕事をしているかなんて考えたことがありませ
んでした。
そんなある日、お父さんが、
「ひかるの通学路に家を建てることになったから、毎日、顔を
出して帰りな。」
と、私に言いそれを聞いた私は、お父さんの仕事を見ることが
できると、飛びはねてよろこびました。それから私は毎日工事
げん場によって帰ることが日っかになりました。しょく人さ
んが面白い話をしてくれたり、お菓子くれたり、ときには、気
づかないぐらい集中して仕事をしている日もありました。毎
日お父さんがいました。
太陽がぎらぎら照りつける暑く下校するのもやっとなくら
いの日にいつも通りに友達と下校していると滝のような汗を
かいているお父さんが私に手をふっていました。そしたら、
私の友達がお父さんを見て、
「ひかるちゃんのお父さんすごい汗だね。」
と、言いました。それを聞いた私は、顔から火が出るほどはず
かしくなってしまい、手もふらず、走って帰ってしまいまし
た。お父さんのことが気になりおそるおそるふり返ったら仕
事にとりかかっていました。私は、何であんなたい度をとって
しまったのか、もやもやしながら家に帰りました。家に着いて
からも、お父さんが帰ってきたら何て言おうかお父さんがお
こっているかと色々考えました。夜になりお父さんが帰って
きました。私は目を合わせずに「お帰り。」といつも通りの
声をかけました。お父さんは、まるで気にしてないかのような
感じでした。私は、ホッとしました。
それからというもの私はげん場にお父さんの車があれば、
「バイバーイ、またねー。」
と、言いながら帰りました。お父さんが見えなかったらげん場
に入り
「バイバーイ。」
と声をかけるようにそれからというもの私はお父さんをはず
かしいと思うことをやめました。
もう夏休みに入ったので下校時によることはありません。
かんせい間近な家をこのあいだ見せてもらいました。私はと
てもすてきな家だと思いました。二階のベランダからは、加茂
川の花火が見えるとお父さんから聞きました。お父さんは、お
客さんの家族のことを考え、私の家族のことを考えてくれる
世界に一人しかいない心のやさしく笑顔があふれる最高のお
父さんです。私は、お父さんのことがとても大好きです。ずっ
と一しょにいたいです。