天地初発
現われては姿を消した、混沌の世界に降り立った原初の神々
天と地が分かれたとき、神々が現われた。まず、天の高天原になり出た神は、アメノミ
ナカヌシ、タカミムスヒ、カムムスヒの三柱はしらの神である。この三柱の神々は万物を
造った造ぞう化か三神と呼ばれ、特別視される。ただし、アメノミナカヌシは、日本神話
の「始源神」として注目されるものの、以後まったく登場しない。次のタカミムスヒ、カ
ムムスヒは万物を成長させるムスヒ(生成)の神であり、のちに高天原の神々の中でも指
導的な役割を果たす神として登場する。
まだ固まらない国土に萌え出したのがウマシアシカビヒコヂ、アメノトコタチの二柱の
神である。次にクニノトコタチ、トヨクモノが現われたが、以上の神は皆独り神(男女に
分かれる以前の神)で、すぐに姿を隠した。
その次はいずれも男女の神でウヒヂニとスヒヂニ、ツノグヒとイクグヒ、オホトノヂと
オホトノベ、オモダルとアヤカシコネ。そして最後に現われた二柱の神が、このあと、日
本の国土と万物の神々を生むイザナキとイザナミである。以上、クニノトコタチからイザ
ナキ、イザナミまでの七代を神かみ世よ七なな代よという。