第二章
その国を作り堅めよ
出雲の大神による国土開発
【第二章あらすじ ─オホクニヌシ神話─ 】
地上世界に形成された豊かな国土を欲する高天原の神々
スサノヲから数えて六代目の子孫にオホアナムヂが登場する。オホアナムヂには多くの
兄弟(八や十そ神がみ)がおり、彼らはみな、稲いな羽ば国のヤガミヒメを妻に迎えたい
と望んでいた。ある日、兄弟たちはヒメのもとへ求婚に出かける。荷物持ちをさせられた
オホアナムヂは、その途中、泣いている兎うさぎと出会う。聞けば先に行った自分の兄た
ちがだましたため傷口が広がったというではないか。オホアナムヂは親切に治療法を教え
てやった。
たちまち回復した兎は、あなたこそが求婚に成功すると予言する。果たして、その予言
通り、オホアナムヂがヤガミヒメの愛を得る。だが、これに激しく嫉妬したのは兄たち
だ。兄たちはオホアナムヂ殺害を計画した。
二度にわたって死の淵に立つも、母の尽力により蘇生したオホアナムヂは、スサノヲが
支配する根ねの堅かた州す国へと逃げ込んだ。そこでスサノヲの娘スセリビメと互いにひ
と目惚れしたオホアナムヂであったが、スサノヲは簡単には許さない。オホアナムヂに
数々の試練を与えたのである。蛇がいる部屋、ムカデがいる部屋に寝かされたが、ネズミ
のおかげで難を逃れた。
そしてスサノヲが寝ているすきに、スセリビメと手に手をとって根の堅州国を逃げ出し
てしまった。あとを追ったスサノヲは、オホアナムヂに葦あし原はらの中なかつ国くに
(地上世界)の王となるよう命じるのだった。
やがて地上に戻ったオホアナムヂは、兄たちを追い払い、地上の支配者オホクニヌシと
なる。そして小さな神のスクナビコナや、のちには三み輪わ山やまの神の手助けを得なが
ら国造りを進めていった。
そんな葦原中国の繁栄を高たか天あまの原はらから目にしていたアマテラスは、この国
はわが子アメノオシホミミが統治するべきだと主張。オホクニヌシに国を譲るよう迫る。
ところが国譲りの交渉に遣わした使者たちは、ことごとくオホクニヌシに懐柔されて帰っ
てこない。そこでアマテラスらは、武神タケミカヅチを遣わして実力行使に出る。タケミ
カヅチが国譲りを迫ると、オホクニヌシは息子たちに任せていると答えた。
彼の息子のひとりタケミナカタは国譲りに反対し、タケミカヅチに力比べを挑むが、タ
ケミカヅチの圧倒的な力の前に敗れ去り、諏す訪わにて降参する。ここに至り、オホクニ
ヌシは出雲の地に立派な宮殿を建てることを引き換えとして、国譲りに応じたのである。
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