【第四章の人々】
吉キ備ビ津ツ彦ヒコ
吉備を平定した四道将軍のひとり
岡山市の吉き備び津つ神社の祭神が、キビツヒコである。もともとは土地の守り神だっ
たが、神話や系譜を整える際に第七代孝こう霊れい天皇の第三皇子とされたと考えられ
る。第十代崇神天皇の御代には四道将軍のひとりとして吉備国にやって来て、豪族・吉備氏
の祖となったと伝えられている。吉備津神社には、農民たちを苦しめていた鬼をキビツヒ
コが退治したという伝説があり、地元の人々の間ではこれが桃太郎の話の起源だといわれ
ている。備中の吉備津神社のほか、備前には吉備津彦神社、備後には吉備津神社がある。