アメノヒボコの渡来
妻を追い、八つの神宝とともに渡海してきた新羅の王子
◆赤い玉が乙女へと変身する
『古事記』『日本書紀』両書に共通して、ホムダワケ、オホサザキの時代は新羅からの渡
来人が多い。それを反映するかのように新羅の王子「アメノヒボコ」の渡来伝説が語られ
ている。それは次のようなものだ。
ある日、日の光が虹のように輝いたかと思うと、アグヌマという沼のほとりで昼寝をし
ていた女の女陰に一筋射し込んだ。すると女は懐妊し、赤い玉を生んだ。この一部始終を
ひとりの男が物陰から見ており、男はその玉をもらい受けると、いつも腰につけて歩いて
いた。
ある日のこと。男が人足に届ける食料を牛に背負わせて運んでいると、新羅の王子アメ
ノヒボコに呼び止められた。ヒボコは「お前はこの牛を食べるつもりだろう」と、男を牢
獄へ引き立てようとする。男は弁明するがヒボコは取り合ってくれない。困った男はとっ
さに赤い玉を差し出した。ヒボコもその玉に何か感じたのか男を許し、玉を持ち帰った。
その玉を床に飾ると、玉はたちまち乙女に姿を変えた。

ヒボコはその乙女を妻とするが、次第に驕おごって妻に暴言を吐いてしまう。怒った妻
は「私はあなたの妻になるべき女ではありません。祖国へ行きます」と言い残して日本へ
と去った。妻は難波のヒメゴソの社やしろに鎮座し、アカルヒメという神となった。
慌てたアメノヒボコは妻の跡を追って日本に来たものの、なぜか渡りの神に遮られて難
波には上陸できない。そこで多た遅じ摩ま(但馬)国に上陸し、この地で子を儲けた。そ
の子孫にタヂマモリがおり、またオキナガタラシヒメ(神じん功ぐう皇后)につながると
いう。だが、ホムダワケの治世では時代が合わないため、もう少し昔の話であろう。ま
た、アメノヒボコは八つの神宝を持参してきたが、それは出いず石し神社に納められ、伊
い豆ず志しの八や前まえの大神としているという。
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