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瑞兆と枯野_日本の「神話」と「古代史」がよくわかる本_走进日本_日语学习网

时间: 2024-10-24    作者: destoon    进入日语论坛
核心提示:瑞兆と枯野 数々の瑞兆に現われた「聖帝」たる所以◆巨木から快速船、そして琴が作られる「聖ひじりの帝みかど」たるオホサザキ
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瑞兆と枯野
 数々の瑞兆に現われた「聖帝」たる所以
◆巨木から快速船、そして琴が作られる
「聖ひじりの帝みかど」たるオホサザキには数々の瑞ずい兆ちようにまつわる伝説が残
る。そのひとつは、雁が卵を産む話である。ある日、オホサザキは雁が卵を産む姿を目撃
する。渡り鳥の雁が大和で卵を産むのは珍しいことだ。天皇はタラシナカツヒコ(仲ちゆ
う哀あい天皇)の頃から仕える長寿のタケウチノスクネに、そうした話を聞いたことがあ
るかと歌で尋ねた。
 スクネはないと歌で返答してから、
  なが御子や つびに知らむと 雁は卵こ生むらし
 と寿ことほぎの歌を返したという。
 瑞兆のふたつ目は加工されていく過程で素晴らしい逸品が出来上がる特別な木の話であ
る。この時代、難波の免とな寸き河の西に、朝日に当たればその影は淡路島を覆い、夕日
に当たれば現在の奈良と大阪にまたがる高たか安やす山やまを越える巨木が一本そびえて
いた。この木で船を作り、枯かれ野のと名づけたところ、その船足の速いこと。そこで、
朝夕に淡路島の水を天皇に献上する船として使用したという。
 やがてその船が老朽化し壊れると、塩を焼く薪にした。そして焼け残った木で琴を作る
と、美しい音が遠い村まで響いたという。その木のことを歌ったのが、
  枯野を 塩に焼き しが余り 琴につくり 掻き弾くや 由良の門との
  門中の 海石に ふれ立つ 浸漬の木の さやさや
(焼け余った木で琴を作り、掻き鳴らした。すると由良海峡の海の中の岩に、波にゆらゆ
らと揺れて立つ海草のようにさやさやと鳴り響いていくことよ)
 この木、淡路島から奈良まで影が及ぶとはかなりの巨木である。巨木と瑞兆というの
は、一見無関係のようだが、当時は巨木を神聖視する信仰があり、神が宿る特別な木とし
て見立てていた。巨木にまつわる伝承は、伊豆や肥前、播磨など各国「風土記」に見られ
る。
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