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童子の舞_日本の「神話」と「古代史」がよくわかる本_走进日本_日语学习网

时间: 2024-10-24    作者: destoon    进入日语论坛
核心提示:童子の舞 争いの果てに絶えた皇統を継いだイチノヘノオシハの御子たち◆ふたりの御子が国司の前で舞と歌を披露する オホハツセ
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童子の舞
 争いの果てに絶えた皇統を継いだイチノヘノオシハの御子たち
◆ふたりの御子が国司の前で舞と歌を披露する
 オホハツセが崩御すると、その子シラカノオホヤマトネコ(清せい寧ねい天皇)が即位
する。だが、この天皇は子のないままに身み罷まかり、オホハツセの皇統が絶えてしま
う。
 しかし、打ち続いた皇位争いの結果、多くの皇子が死に絶え、有力な男子もいない。そ
こで後継者を誰にすべきか検討した結果、かつてオホハツセに殺害されたイチノヘノオシ
ハの妹であるイヒトヨが候補として担ぎ出される。彼女はしばらく天下を治めるが、正式
な天皇が即位するまでの中継ぎ役だったと見られる。
 そんななか、ヲタテという人物が針はり間ま(播磨)国へ御み言こと持もち(国こく司
し)として赴任する。ある日、ヲタテは豪族の新築祝いに招かれ、宴もたけなわとなった
ところで、全員が順番に芸を披露しようということになる。やがて竈かまどの側にいた火
焚き役のふたりの少年に順番が回ってきた。ふたりは互いに譲り合ったのち、兄が先に芸
を披露することになり、見事な舞を舞う。続いて弟が同じく舞ったが、その際、彼は朗々
と歌いあげた。
  物部の 我が夫子が 取り佩ける 大刀の手上に 丹画き著け
  その緒は 赤旗を載せ 赤旗を立てて 見れば 五十隠る 山の三尾の
  竹をかき苅り 末押し縻かすなす 八絃の琴を調べたるごと 天の下治め賜ひし
  伊耶本和気の天皇の御子 市辺の押歯の王の 末奴
 という歌詞だった。なんとそれは「自分こそがイチノヘノオシハの末子である」と名乗
り出た歌だったのだ。このふたりの童子こそ、かつてオホハツセの手を逃れて針間に潜伏
していたオケ、ヲケの兄弟だったのである。これを聞いたオタテは仰天して、ふたりの皇
子を膝に乗せて号泣し、早馬の使者を朝廷に送ったのだった。こうして発見されたふたり
の皇子オケとヲケは、叔母のイヒトヨによって宮に呼び寄せられた。
『日本書紀』ではこれらの出来事を清寧天皇存命中のこととしている。
 その後、ヲケは平群の臣の祖で実力者のシビと激しい戦いを演じる。平群氏は 城氏が
オホハツセによって滅ぼされたあとに台頭した豪族である。ただし、戦いといっても剣を
直接交えるものではない。当時盛んに行なわれていた歌うた垣がきの場でのことである。
歌垣とは毎年決まった時期に男女が山野や海辺などに集まり、飲食をしながら歌を掛け合
う行事である。ヲケとシビの争いのきっかけはヲケが求婚していた娘オフヲに、シビが求
婚の歌を贈ったことにある。これに対してヲケも歌で応じ、両者は夜通し張り合った。
「天皇家は大した後継者もなく傾いている」という主旨のシビの歌に対して、「それは仕
える者が悪いからだ」「お前など彼女のそばにいても魚同然だ」とする歌をヲケが返すな
ど激しい戦いが続いた。だが結局、両者の争いは実戦へと発展してしまう。翌朝、ヲケは
兄オケと相談して、兵を集めてシビの館を攻撃し、殺害してしまうのだ。
 その後、オケとヲケは、どちらが皇位に就くかで譲り合い、なかなか決着がつかなかっ
た。しかし、最後には兄オケが「お前が名乗らなかったら今の境遇はなかったのだから」
と強く勧めたため、弟ヲケが皇位に就くことになった(顕けん宗ぞう天皇)。
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