大津皇子の変
詩才に長けた悲劇の皇子を取り巻く黒い陰謀とは?
六八六(朱鳥元)年、数々の改革を推進した天武天皇が身罷ると、皇后の う野のの讚
ささ良らの皇ひめ女みこが称制を行ない、天武天皇の殯もがりを執り行なった。そのさな
か、天武天皇の子である大津皇子が謀反を企てているという知らせが入る。 野讚良皇女
は直ちに反逆罪として大津皇子以下、三四人を逮捕した。皇后が謀反を知ったのは、天智
天皇の子である川島皇子が密告したためともいわれる。彼は初め大津皇子と親友の約束を
交わすが、謀反の動きを知って、すぐに朝廷に伝えたという。
大津皇子は逮捕の翌日に死を賜った。異例の速さでの処刑であった。知らせを受けた大
津皇子の妃・山やま辺のべの皇ひめ女みこは髪を振り乱し、裸足で駆けつけて殉死したとい
う。
一方、その他の逮捕者については、側近と思われる僧を流罪にした以外は、すべてこれ
を許している。「大津皇子に欺かれただけ」というのがその理由だが、これまた異例なこ
とである。そのため、この謀反劇は 野讚良皇女が実子の草くさ壁かべ皇子に皇位を継が
せようと、有力な候補者で人気も高かった大津皇子を亡き者とするために画策した策謀
だったとする説も浮上している。
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