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ひとをたのまず

时间: 2022-12-07    进入日语论坛
核心提示:ひとをたのまず小川未明ある日ひ、私わたしは偶然ぐうぜん、前まえを歩あるいていく三人にんの子供こどもを、観察かんさつするこ
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ひとをたのまず

小川未明


あるわたし偶然ぐうぜんまえあるいていく三にん子供こどもを、観察かんさつすることができました。
こうたかく、おついろくろく、へいはやせていました。そして、バケツをげるもの、ほうきをつもの、そのようすはどこかへそうじをしに、いくようにえました。
そのかれらは、学校がっこうで、成績表せいせきひょうをもらったのであろうか、
きみは、成績せいせきが、よかった?」と、おつが、こうかって、ききました。
こうは、すました態度たいどで、なかなか、それにこたえようとしませんでした。おつが、まず自分じぶんから、
「ぼくは、ゆうが一つで、あとみんなりょうだったよ。」と、おしえました。はじめて、こうは、
「ぼくは、ちょうど、その反対はんたいだった。」と、いいました。
「じゃあ、りょう一つしかなく、あとみんなゆうなのね。」と、おつは、その成績せいせきの、あまりいいのに、おどろいたようでした。
こうは、だまって、うなずきました。
きみは?」と、こんどは、おつが、へいかって、ききました。いままで、二人ふたりはなしをききながら、あるいていたへいは、したいて、なんといわれても、だまっていました。
「いいだろう、おしえても。」
そう、おつが、いったけれど、へいは、やはりしたいていました。
*   *   *   *   *
にんは、神社じんじゃまえへくると、境内けいだいへはいりました。あたりをると、そこの鳥居とりいにも、かきねにも、こないだの、選挙せんきょのビラが、はりつけられてあり、また、方々ほうぼうにらくがきがしてありました。だから、それを、きれいにするためだと、すぐわかりました。
かれらは、石段いしだんのところで、ひとまず、ったものをおいて、やすみました。
「これを、みんなきれいにするのかなあ。」と、おつは、境内けいだいまわしました。
「なに、わけはないさ。」と、こうが、ほほえみました。こんなときでもへいは、だまっていました。
わたしは、とりすましたこうにも、また、陰気いんきえるへいにも、どこか不自然ふしぜんなところがあるのをかんじました。ひとり、いろくろおつだけは正直しょうじきで、明朗めいろうがしました。
とつぜん、へいが、石段いしだんりて、鳥居とりいそとていきました。
「にげるんでない、ずるいや。」と、こうがおこりました。
「すぐ、かえってくるのだろう。」と、おつがいいました。
「ぼく、よんでくるよ。」と、こうちかけました。
「ほっておおきよ。」と、おつはとめたけれど、こうは、境内けいだいからかけしました。
わたしは、ようたしをするためここをはなれなければなりませんでした。そして、一時間じかんばかりののち、ふたたび、ここをとおりかけました。
「あの子供こどもらは、どうしたろう。」
にんとも、はたらいているだろうか。それとも、もうおわって、かえったであろうか。こんなことをかんがえながら、神社じんじゃ境内けいだいへきてみると、ただひとりおつだけが、まだはたらいていました。
あとの二人ふたりは、どうしたろうか。あれから、こなかったのだろうか。わたしは、なんとなくたまりかねて、
きみ、ひとりでやっているの、てつだってあげようか。」と、おつこえをかけました。
この元気げんき少年しょうねんは、ふいによびかけられて、びっくりしたように、こちらをふりいたが、
「だいじょうぶです。もう、あとすこしばかりですから。」と、いって、にっこりわらいました。
わたしは、ひとのちからをたのもうとせず、ひとりでやりとおす少年しょうねんを、けなげにおもいながら、しばらく、たか木立こだちあいだから、あお秋空あきぞらえる、すがすがしい境内けいだいを、散歩さんぽしたのでした。
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