(1)「自分は本当に何をしたいのか」といった問いを自分自身に向けるのは、特に辛いことだ。タマネギの皮をむくように、いくらむいていっても何もなかったという気持ちに襲われることもある。
一方、読書の場合はすぐれた相手との出会いがあり、自分自身の内側を見つめているだけでは、とうてい見えてこない世界に開かれるのが読書だ。読書を通じて、時も場所も離れた人間と出会うということは、普段のコミュニケーションとは違う楽しい緊張感を味わわせてくれるのである。( 2 )なのがテレビだ。テレビ番組を見ていれば、自分に向き合う必要もないし、テレビはそのような隙も与えない。テレビは、自分の外側の問題に興味を喚起させる力はあるが、自分自身と向き合う時間は作りにくい媒体だ。テレビの時間は、テレビをつくる側が管理している。どのようなテンポでどんな情報を組み合わせれば視聴者が退屈しないのかを計算して時間の流れをつくっている。それに対して、読書の場合は、途中で休んでもいいし、速いスピードで読み続けてもいい。読書の時間は読者の側がコントロールしているのである。
問1 (1)「自分は本当に何をしたいのか」といった問いを自分自身に向けるのは、特に辛いことだ」とあるが、どうして辛いことなのか。
1.自分自身に問いかけるだけでは、なかなか答えが出てこないから。
2.自分自身に問いかけても、自分が成長するわけではないから。
3.自分自身に問いかけても、すぐれた相手との出会いがないから。
4.自分への問いかけは、単調で退屈な作業だから。
問2 ( 2 )に入る適当な語はどれか。
1.積極的 2.効果的 3.典型的 4.対照的