人が類人猿から進化するきっかけとなったのが、まっすぐに立って歩くことと手で道具を使えたこと、それに火を管理する能力を備えたことであったとすれば、文明が成立し、それが発展するきっかけとなったのは文字の発明だった、といっても言い過ぎではないでしょう。
口から発せられる言葉だけでは、声が届かないほど遠いところにいる人に何かを伝えることができません。(1)人類は、文字が発明されるまでの長い間、人と人と直接に顔をあわせる場か、或いは声が届く範囲内でしか、お互いのコミュニケーションがとれないという状況にありました。
しかし、文字という記録された言葉は、同時代において空間を飛越えることができるだけでなく、それを時間軸に沿って運行することも可能でした。記録された文字が伝承されれば、知識を後世に伝えることができますし、逆に後生の歴史家たちは、古代の遺跡などから発見された文字を読むことによって、過去の時代の詳しい状況を知ることができます。つまり、文字は「人類の文明を伝える乗り物」として機能することになったのです。(2)まさに文字こそは、人類の歴史における最も偉大な発明であったと言ってよいでしょう。
問1 (1)に入る適当な語はどれか。 1.さらに 2.しかし 3.つまり 4.そのため
問2 (2)「まさに文字こそは、人類の歴史における最も偉大な発明であったといってよいでしょう」とあるが、それはなぜか。
1.気持ちを伝え合うには、口で発せられる言葉より文字の方が優れているから。
2.文字のおかげで、時空をこえて人類の文明を伝え続けることができたから。
3.記録された文字を通して、古代のことを知ることができるから。
4.文字がなければ、人類は類人猿のままであり、文明も生まれなかったから。