少女は胸をどきつかせながら覗き込みますと、お母さんはそっと箱のふたを開けました。 中からはぷんといい香りがたって、羽衣はそっくり元のままで、きれいにたたんで入れてありました。 「まあ、そっくりしておりますのね。」と少女は目を輝かしながら見ていましたが、「でも、もしどこかいたんでいやしないかしら。」というなり、箱の中の羽衣を手に取りました。 そしてお母さんが「おや。」と止めるひまもないうちに、手ばやく羽衣を着ると、そのまますうっと上へ舞い上がりました。 「ああ、あれあれ。」と、お母さんは両手を広げて捕まえようとしました。 その間に少女の姿は、もう高く高く空の上へ上がっていって、やがて見えなくなりました。 帰って来て伊香刀美はどんなにがっかりしたでしょう。 三年前に湖のそばで少女がしたように、足ずりをしてくやしがりましたが、かわいらしい白い鳥の姿は、果てしれない大空のどこかに隠れてしまって、天と地の間には、いくえにもいくえにも、深い霞が立ち込めたまま春の日は暮れていきました。
少女很激动地窥探着,妈妈轻轻地打开了箱子。 一阵香气从中传来,羽衣和原来一样,好好地叠在里边。 “啊,吓我一跳”少女眼中闪烁着光芒,说:“但是哪里坏了不修可不行。”用手把箱子里的羽衣取了出来。 妈妈“啊”了一声,还没来得及阻止,已经穿上了羽衣,一下子飞到了空中。 “啊”妈妈连忙伸手去抓。 可是少女早就飞上了高高的天空,最后看不到了。 回来的伊香刀美很失望。 感觉少女会在三年前的湖边,走去了但是可爱的白鸟的踪影藏在了无边的天空里,天地间,伴着重重的晚霞春天过去了。