日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 阿刀田高 » 正文

まじめ半分30

时间: 2018-03-31    进入日语论坛
核心提示:京都のことば 京都の女は立ち居振る舞いがものやさしいわりにはお腹《なか》が黒い、ということになっている。全国的にそういう
(单词翻译:双击或拖选)
 京都のことば
 
 
 京都の女は立ち居振る舞いがものやさしいわりにはお腹《なか》が黒い、ということになっている。全国的にそういう評判になっていて、そのことは京女自身もよく知っている。だから、
「どこのお生まれですか?」
「京都です」
「ああ、それでは……」
 と、こっちが皆まで言わないうちに、
「そう。お腹が黒いの」
 と、察しよくむこうが先に言ってくれる。
 京都の女が、日本女性の�全国的腹黒さ水準�と比べて、特にきわだって腹が黒いかどうか私にはよくわからないけれど、われら東《あずま》えびすどもがとかく誤解してしまうのは、その独特な言葉遣いである。
 たとえば、京都の女は否定語をあまり用いない。
「今晩、夕食をいっしょにどうですか」
 と、こちらが誘うと、
「おおきに」
 と、言う。
�おおきに�というのは標準語に訳せば�ありがとう�である。
 外国人ならば——つまり、この問答を外国語に直訳して外国人に読ませたならば——まず確実に夕食の誘いは受け入れられたのだと思うだろう。なにしろ相手はこちらの誘いに対して�サンキュウ�と答えているのだから。
 ところが京都ではそうではない。
 右のような問答で�おおきに�とか�ありがとうございます�とか答えられたら、十中八、九まで拒否されたと考えてよい。
�おおきに�は自分を誘ってくれた好意に対して感謝しているのであって、その内容は、
「お誘いは感謝しています。でも残念ながら……」
 である。
 本当に誘いに応じるときは、
「ほな、どうしまひょ」
 と、話を具体的に進めてくる。
 さらに言えば、いったん約束ができて、そのあと彼女のほうになにか事情が生じ、都合がわるくなった場合でも、京都の女は自分のほうからは断わらない。こっちが事情を察して、
「困ったな、どうしよう?」
「どうしまひょ」
「どうにもならんのか」
「間がわるいわあ」
「どうしようか?」
「どうしまひょ」
「またにするか」
「そうやなあ」
 初めから答えは�ノウ�ときまっているのに、�どうしまひょ�と言って、こっちが否定的な言葉を言い出すのを待っている。�どうしまひょ�と言っているけれど、そういろいろと思案の道があるわけではない。
 表面に現われる言葉遣いは、以上のように曖昧《あいまい》だが、京都の女はそれほど優柔不断ではない。むしろ合理的で冷静でプラグマチストだから、ものごとの好き嫌い、イエスとノウなどは、はっきりと決まっている。大脳の決断そのものは速いほうである。
 ただその決断がなまの形で外に現われないところに特徴がある。自分のほうでは答えがはっきりと決まっているにもかかわらず、それを明確に表現しないで、相手がそれを忖度《そんたく》し迎合してくれるのを待っているわけだ。
 歴史的に考えれば、朝廷を中心とする京都の貴族階級は、こういう方法で武家階級を扱ってきたのであり、その名残が現代でも京女の中にうかがえる、と言ってよいのかもしれない。この微妙な二重構造が、はたから見るとどことなく腹黒いように映るのではあるまいか。
 歴史の伝統は思いのほか根深いものであり、たとえば東京で東北や九州の方言を使って話すのは一般的に言えば�恥ずかしい�ことだが、女が京都の言葉を使うことだけは周囲もちょっと敬意を払うところがある。お姫様としもじもの関係は今でも残っているらしい。
 そう言えば——以上の話と直接関係があるかどうかわからないが——ある女性雑誌の編集者からおもしろい話を聞いたことがあった。
 皇室関係の記事を誌面に載せて、その内容にどこか適当でないところがあると、宮内庁に呼び出される。
 担当のお役人さまが、問題の誌面を机の上に広げ、渋い顔で、
「よくありませんな」
 と、言う。
「どこがどうまずいのでしょうか」
 と、尋ねても、なかなか教えてくれない。記者のほうが「ここでしょうか、あそこでしょうか」と質問し、ようやくむこうさんのご不満がどのへんにあるか見当をつける。そこで、
「どう直せばよかったのでしょうか」
 と、聞いても、やはり、
「よくありませんな」
 としか返ってこない。
 記者は、またもや「こう直せばよかったのでしょうか、ああ直せばよかったのでしょうか」と、提案して、ようやく相手の顔色により判断して帰って来るのだそうだ。これが宮中式のやりかたで、京都の女と、どこか共通するところがある。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%