日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 阿刀田高 » 正文

まじめ半分39

时间: 2018-03-31    进入日语论坛
核心提示:福娘コンテスト 昭和五十六年の初仕事はまことに幸先のよろしいものであった。 東京・日本橋の高島屋デパートが、創業百五十周
(单词翻译:双击或拖选)
 福娘コンテスト
 
 
 昭和五十六年の初仕事はまことに幸先のよろしいものであった。
 東京・日本橋の高島屋デパートが、創業百五十周年の記念事業として正月の十日、十一日に関西から恵比須《えびす》様のご出張をあおぎ、一階に特設祭壇を設けて、恵比須祭をやろう、という計画を立てた。
「商売繁昌じゃ。笹《ささ》もって来い」の掛け声で賑わう恵比須祭は、関西ではおなじみのもの、新春の行事のハイライトだ。
 このお祭りでは福娘という、巫女《みこ》姿のサービス係が人気の的。今宮恵比須でも西宮恵比須でもこのお嬢さんがたを一般から公募するのが習慣になっているらしい。
「東京でも実験的に十五名ほど募集してみましょう」
 と決まり、デパートとしてはごく控え目に公募したつもりだったらしいが、千五百名近い希望者が集まった。
 書類選考で五十五名にしぼり、次は面接試験。平たく言えば、美人コンテストのようなものですね。
 小生はその審査員の一人をおおせつかった。初仕事としてはこの上なくめでたく、この上なく楽しいお勤めであろう。
 一度に五名ずつのお嬢さんがたが私たち審査員の前に現われ、一分間だけ自己PRのスピーチをおこなう。私たちは履歴書やアンケートの回答などを見ながらスピーチを拝聴し、容姿を吟味し、なにほどかの質問をして、
「どうもご苦労さまでした」
 しかるのち点数をつける。点数は十点満点だった。
 事前の打ち合わせで、
「どんな人が福娘らしい人なんですか」
「福を授けるわけですから、ヤッパリ明るい感じの、下っぷくれのお多福顔のほうがいいんじゃないでしょうか」
「影のある美人なんて駄目なんですね」
「はい」
 私は薄倖《はつこう》の美女タイプにもおおいに関心のあるほうだから、この点は気をつけねばなるまいと、強く戒めて審査会場へ入った次第である。
 よほどのことがない限り十点はつけまいと思った。六点以下もつけまいと考えていた。つまり、これぞ福娘にふさわしいと思ったときは九点、あまりふさわしくないなと思ったら七点、どちらでもない場合が八点である。
 しかし、他人を審査するというのは、責任が重いような、申し訳ないような、しんどいところのある作業ですね。
 できるだけ客観的に眺めようと思うのだけれど、これも一種の美人コンテスト、個人の好みが入るのは仕方ない。たいして審美眼があるとも思えない私の判断で七点をつけられる人には、その都度�どうか気にしないでくださいね�と言いたい気持ちだった。
 もっとも志願者のほうは相当にアッケラカンとしたもの。
「スキーに行くお小遣いがほしいので」
「お多福顔のコンテストなら、お前にあってるんじゃないかって言われて」
「今年はなんか今までとはちがったことをやってみたいと思っていたとき、ちょうど広告を見たものですから」
 などなどと動機はいろいろ。
 恵比須様そのものについては、
「あんまりよく知らないんです。七福神の一人だと思いますけど……」
「商売の神さまなんですか、知りませんでした」
 と、いくぶん頼りない巫女さん候補が多かったみたい。
 なーに、どうせ二日間のお勤めなのだから、めくじらを立てることもあるまい。
 それはともかく、次々に点数をつけていくと、なにやらおのれの好き心を調査されているような気がしないでもない。
 だれかが私の点数表を見て、
「へえー、あんなタイプが好きなの。そりゃ完全に中年男のいやらしさよ」
 と、みごとに看破されそうな不安が胸に去来してならない。
 審査が終わったところで、他の審査員がどんな点数をつけているか興味深く拝見した。とりわけ私が九点をつけた人は、ほかの人にはどう映ったか、この点にはおおいに関心があった。
 もちろん評価はさまざまである。
 ただ私が九点をつけた人は、たった一人を除いて全部合格した。この結果から言えば、そこそこの審査をしたことになるだろう。
 ただし、七点をつけた人の中にも合格者は何人かいて、これは文字通り燦然《さんぜん》と輝く太陽のように明るい娘さん。福娘には、このほうがふさわしいのかもしれない。
 つまり、裏を返せば、充分に美しい容姿のかたでも、また知的にすぐれたかたでも、堅い印象、生《き》まじめ過ぎる印象、寂しい印象の人は落選の憂き目をみたように思う。
 世間には�薄倖の美女�志向の男性も大勢いるのです。どうぞガッカリしないでくださいね、�五十五引く十五名�のお嬢さんがた。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%