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黒田如水10

时间: 2018-11-15    进入日语论坛
核心提示:道一 その日の午過《ひるす》ぎである。まだ暑い盛り。 播州の一隅にすぎぬ田舎城といえ、年まだ三十という若い家老は、その健
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 道一
 
 その日の午過《ひるす》ぎである。まだ暑い盛り。
 播州の一隅にすぎぬ田舎城といえ、年まだ三十という若い家老は、その健康と、赭《あか》ら顔に笑靨《えくぼ》を持って、ひとりこつこつと馬を姫路の方へ歩ませていた。
 ——振向いて、御着《ごちやく》城を二度ほど見ていた。
「生きてここへ帰る日はないかもしれない」
 と、官兵衛も多少の感傷を抱いていたものとみえる。
 真心はついに人をして伏するほかなからしめた。彼の信念は徹《とお》った。日頃のねがいは届いたのである。
(小寺政職を主とする御着一城のともがらは、織田方に味方する。しかし策として当分は極力四隣へ秘密を保って行う)
 ということに、夜来の評議は、とうとう一決を見て、落着いたのであった。
 その結果、
(たれが織田家に使いするか)
 となって、当然のように、黒田官兵衛こそと、主君からも家中からも挙げられて、彼がその任に当ることになった。
 そう一致したからには、一日も寸時も早くと、彼はすぐ君前に暇を乞い、同座の人々とも袂別《べいべつ》して、あの席からすぐに立って、馬を姫路へ向けて来たものであった。
 信長はいま岐阜城にいると聞く。その岐阜へ行くべく上方へ出るには、姫路を経るのは順路であるが、道のついでに、彼は生家の姫路城へ立ち寄って、母はもう世に亡《な》いひとだが、老父の宗円《そうえん》にもいとまを告げ、またまだうら若い妻と、ことし八歳になるわが子にも久しぶりにこの顔を見せて行きたいと思った。
「……そうそう、明石《あかし》へも立ち寄ろう。船でならば、あそこの浦から乗ってもよい」
 道中の危険よりは、多くをそういう楽しみに頭をつかった。海路といえ陸路といえ、毛利家の兵力や三好党の密偵のいない所は寸土もないくらいだから、危険と思えば限りもなく危険だったが、分別者《ふんべつもの》のようでも、やはり官兵衛は三十になったばかりの男だった。この使命を持った身には、そんな事など顧《かえり》みていられぬほど大きな希望と、楽しみばかりが胸に醸《かも》されていた。
 ふと、明石の浦の一庵《いちあん》をいま思い出したのは、そこに幼少のときから好きで好きでたまらないおじいさんが住んでいるからだった。名は明石《あかし》正風といって、彼とは血も濃い、母方の祖父にあたる人である。
 もともと彼の母は、近衛家の縁すじの人の娘であった。その父たりし明石正風も、そうした縁故から、近衛家に出入りし、近衛家の父子に、歌道の相手をしていたが、世が騒がしくなってから、明石の海辺に一庵をむすび、別号を宗和《そうわ》、または隠月翁《いんげつおう》などと称して、漁師の子たちに、手習いを教え、自らは独り余生を名利《みようり》の外に楽しんでいた。
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