日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 吉川英治 » 正文

黒田如水101

时间: 2018-11-16    进入日语论坛
核心提示:違和三「於室《おむろ》、すぐ身支度をせい」 不意に、西の丸へ来て、村重は室殿へそういった。 室殿はあきれ顔して、彼のすが
(单词翻译:双击或拖选)
 違和
 
「於室《おむろ》、すぐ身支度をせい」
 不意に、西の丸へ来て、村重は室殿へそういった。
 室殿はあきれ顔して、彼のすがたを足もとから頭まで見上げた。村重は野外へ狩猟に行くときの一雑兵のような身ごしらえをしていた。
「……どこへですか。そんなおすがたで」
 室殿は冷たい眼をした。無智に似てどこかふつうの女以上のするどい賢《かしこ》さもあるこの婦人は、とっさにある事態をもう直感した容子だった。
「どこでもよい。そなたも、できるだけ身軽に、裳《もすそ》もくくしあげて、わしと共に来い」
「いやです」
「なぜ」
「行く先もわからないところへなど行かれませぬ」
「そなたは常に、城外へ出たいと、口ぐせにいうていたではないか」
「お城の外へならようございます」
「城外へだ。城を出るのだ」
「……でも、おかしいではございませんか」
「どうして」
「殿さまは、ご城主でございましょうが。たくさんなご家中を、どうなされるおつもりですか」
「女の知ったことではない。が、安心のために、一言だけ聞かせてやる。作戦のためにわしがここを出た方がよいのだ」
「そして、どこへお移り遊ばすのですか」
「花隈城《はなくまじよう》へ」
「ではまた、わたくしの身も、その花隈へ押し籠めるおつもりでしょう。それなら同じこと、室《むろ》はここにおります」
「いや、兵庫まで行ったら帰してやる。あれから船へ乗せて」
「きっとですか。嘘はおさむらいの恥でございますよ」
「よしよし。かならず帰してやる。はやく支度をせい」
「——於菊《おきく》。於菊」
 彼女は侍女部屋へ向って呼んだ。けれど於菊の答えはしなかった。ほかの侍女が来て、どうしたのか、菊どのはこの夕方から姿が見えないと告げた。
「殿さまがお隠しになったのではございませぬか。あれを連れて行かなければ私も参りませんよ」
 室殿は勘《かん》のするどい眼で村重の面をにらまえた。村重はあわてて面を振りながらその顔色をごまかした。
「於菊はもう先へ行っておる。老臣たちの群れに加えて」
「うそでしょう」
 彼女はなかなか信じなかった。村重のまずいことばで、それを信じこませるまでには、一刻の余もかかった。そのうちに、夜は初更《しよこう》をすぎた。庭の闇に、一かたまりの人影が、ひそかに佇《たたず》んで、村重の立座をうながした。
 その夜の従者は、わずか六、七名の小人数だった。この人々が身辺に来ると、室殿にはもう何の文句も苦情もいわせなかった。なぜならばみな悲壮極まる顔つきして、その眼は殺伐《さつばつ》にみちていた。村重にたいしてはずいぶん駄々《だだ》をこねる室殿ではあったが、こうした家臣の武者たちに囲まれると、さすがにわなわな歩みも顫《ふる》え、ふかく被衣《かつぎ》をかぶった横顔も、さながら夕顔の花みたいに白かった。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%