日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 吉川英治 » 正文

平の将門97

时间: 2018-11-24    进入日语论坛
核心提示:おんな貢物「将門とおれとは、叡山の約がある。いまや、その誓いを、ほんとに見る日が来たのだ。彼に会ったら、そういってくれ。
(单词翻译:双击或拖选)
 おんな貢物
 
 
「将門とおれとは、叡山の約がある。——いまや、その誓いを、ほんとに見る日が来たのだ。彼に会ったら、そういってくれ。……おたがいに、都へ攻めのぼって、志をとげたあかつきには、あの思い出の叡山の上で、手を握ろうと。……純友がそう申したと、忘れずにつたえてくれ」
 純友は、将門が帝系の御子たるところに、魅力を寄せている。つまり利用価値なのだ。けれど彼は賢明な打算家ではなく、いわば一種の狂児である。飲むと、その狂児の眸は、虹を発し、いつも、詩を歌うような語調になる。
 じつをいうと、不死人の心のうちに、まだ不安があった。
 その“叡山の約”なるものを、将門の方では、てんから問題にしていないのだ。いつかも、口に出してみたことがあったが、ほとんど、忘れたような顔つきだったし、まったく一時の酒興の言葉としかしていない。
 ——だが、そんな空漠な言葉の上よりも、運命は将門をして、思うつぼに、また思う方角へ、彼をとらえている。不死人はそこが恃《たの》みだった。
 まさか、純友へは、彼が叡山の約などは、一笑に附しているとも、いえないので、
「そいつは、劇的だ。そういう事になれば、すばらしいもんです。将門に会ったら、そういっておきましょう」
 と、答えた。
「うム。叡山の約は、おれの恋なんだ。それを実現して、劇的な再会をとげたい。——そうだ。彼も今では、むかしの滝口の小次郎とはちがう。こんど、おぬしが下るついでに、純友からの貢物《みつぎもの》だといって、ここの妓を四、五人連れて行ってくれ」
「あ。……あの草笛《くさぶえ》ですか」
「草笛もだが——もっと若いきれいなのも三人ほど加えて行った方がいい。ケチなと思われては、おれの沽券《こけん》にかかわるからな」
 草笛は、ここの妓である。
 もう三十にちかいが、水々しさが失せていないし、素朴といってよいほど、都ずれがしていない。
 流連《いつづけ》の酒のあいだに、この仲間が、ふと、将門のむかし話をしているのを聞き、
(あの人なら、わたし、よく知っています。東国にいるのなら、会いに行きたい。ええ、どんな遠国でも、行きますとも)
 と、その小次郎が、まだ小一条の右大臣家に、舎人としていた頃、自分の許へ通っていた“好ましい初心《う ぶ》なお客”であったことを、酔いにまぎらして、さんざんのろけちらしたのであった。
 不死人も、当時の悪友のひとり。いわれてみれば、なるほど、そんな事もあった——と思い出されはする。
 純友は、この里に、小次郎の古馴染みを見つけた事を、興深くおもって、ひとつ彼を驚かしてやろうと、草笛の身代《みのしろ》を、楼の主にわたして、不死人と共に、東国へ連れて行ってやることになっていたのである。
 だが、それだけでは、興がない。草笛は、いくらむかしの彼の恋人でも、三十といっては年をとりすぎている。——どうせの事、もう三人も、若いのを、連れてゆけ。むかしは知らず、今は南海の純友が、東国の平将門へ貢《みつぎ》するのに、(何だ……)と思われては、おれの面目にもかかわる、となったのだ。
 女人の貢とか、女人の贈りものとか、女を物質視する風習は、その頃の人身売買を常識としていた世間では、ふつうの事としていたのである。純友は、莫大な物代を払って、江口の妓三名と草笛の身を、不死人に托し、そして将門へ一書をしたためて、持たせてやった。
 それから幾日かの後。
 不死人は、妓たちを、駒に乗せ、自分も馬の背にまたがり、陸奥《みちのく》の商人《あきゆうど》が国へ帰るものと称《とな》えて——手下の禿鷹、蜘蛛太、穴彦などに馬の口輪を持たせ、都から東海道を下って行った。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%