日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 吉川英治 » 正文

神州天馬侠22

时间: 2018-11-30    进入日语论坛
核心提示:怪船と巽小文治    一 伊那丸《いなまる》と龍太郎《りゆうたろう》が外濠《そとぼり》をわたって、脱出《だつしゆつ》した
(单词翻译:双击或拖选)
 怪船と巽小文治
 
    一
 
 伊那丸《いなまる》と龍太郎《りゆうたろう》が外濠《そとぼり》をわたって、脱出《だつしゆつ》したのを、やがて知った浜松城の武士たちは、にわかに、追手《おつて》を組織して、入野《いりの》の関《せき》へはしった。
 ところが、すでに二刻《ふたとき》もまえに、蓑《みの》をきた両名のものが、この関《せき》へかかったが、足軽鑑札《あしがるかんさつ》を持っているので、夜中ではあったが、通したということなので、討手《うつて》のものは、地だんだをふんだ。そして、長駆《ちようく》して、さらに次の浜名湖《はまなこ》の渡し場へさしていそいだ。
 いっぽう、伊那丸《いなまる》、龍太郎《りゆうたろう》のふたりは、しゅびよく、浜名湖のきしべまで落ちのびてきたが、一|難《なん》さってまた一難、ここまできながら、一|艘《そう》の船も見あたらないのでむなしくあっちこっちと、さまよっていた。
 月はないが、空いちめんに磨《と》ぎだされ、かがやかしい星の光と、ゆるやかに波を縒《よ》る水明りに、湖は、夜明けのようにほの明るかった。すると、ギイ、ギイ……とどこからか、この静寂《しじま》をやぶる櫓《ろ》の音がしてきた。
「お、ありゃなんの船であろう?」
 と伊那丸が指したほうを見ると、いましも、弁天島《べんてんじま》の岩かげをはなれた一艘の小船に、五、六人の武士が乗りこんで、こなたの岸へ舵《かじ》をむけてくる。
「いずれ徳川家《とくがわけ》の武士《ぶし》にちがいない。伊那丸さま、しばらくここへ」
 と龍太郎はさしまねいて、ともにくさむらのなかへ身をしずめていると、まもなく船は岸について、黒装束《くろしようぞく》の者がバラバラと陸《おか》へとびあがり、口々になにかざわめき立ってゆく。
「せっかく仕返しにまいったのに、かんじんなやつがいなかったのはざんねんしごくであった」
「いつかまた、きゃつのすがたを見かけしだいに、ぶッた斬ってやるさ。それに、すまいもつきとめてある」
「あの小僧《こぞう》も、あとで家へかえって見たら、さだめしびっくりして泣きわめくにちがいない。それだけでも、まアまア、いちじの溜飲《りゆういん》がさがったというものだ」
 ものかげに、人ありとも知らずにこう話しながら、浜松のほうへつれ立ってゆくのをやり過ごした龍太郎《りゆうたろう》と伊那丸《いなまる》は、そこを、すばやく飛びだして、かれらが乗りすてた船へとびうつるが早いか、力のかぎり櫓《ろ》をこいだ。
「龍太郎、いったいいまのは、何者であろう」
 舳《みよし》に腰かけていた伊那丸が、ふといいだした。
「さて、この夜中に、黒装束《くろしようぞく》で横行《おうこう》するやからは、いずれ、盗賊《とうぞく》のたぐいであったかもしれませぬ」
「いや、わしはあのなかに、ききおぼえのある声をきいた。盗賊の群れではないと思う」
「はて……?」龍太郎は小首をかしげている。
「そうじゃ、ゆうべ、八幡前《はちまんまえ》で、鎧売《よろいう》りに斬りちらされた悪侍、あのときの者が二、三人はたしか今の群れにまじっていた」
「おお、そうおっしゃれば、いかにも似通《にかよ》うていたやつもおりましたな」
 と、龍太郎はいつもながら、伊那丸のかしこさに舌《した》をまいた。そのまに、船は弁天島《べんてんじま》へこぎついた。
「若君——」と船をもやってふりかえる。
「浜松から遠くもない、こんな小島に長居《ながい》は危険です。わたくしの考えでは、夜のあけぬまえに、渥美《あつみ》の海へこぎだして、伊良湖崎《いらこざき》から志摩《しま》の国へわたるが一ばんご無事かとぞんじますが」
「どんな荒海、どんな嶮岨《けんそ》をこえてもいい。ただ一ときもはやく、かねがねそちが話したおん方にお目にかかり、また忍剣《にんけん》をたずね、その他の勇士を狩《か》りあつめて、この乱れた世を泰平《たいへい》にしずめるほか、伊那丸《いなまる》の望みはない」
「そのお心は、龍太郎《りゆうたろう》もおさっしいたしております。では、わたくしは弁天堂の禰宜《ねぎ》か、どこぞの漁師《りようし》をおこして食《た》べ物の用意をいたしてまいりまするから、しばらく船のなかでお待ちくださいまし」
 と龍太郎は、ひとりで島へあがっていった。そしてあなたこなたを物色《ぶつしよく》してくると、白砂をしいた、まばらな松のなかにチラチラ灯《あか》りのもれている一軒の家が目についた。
「漁師の家と見える、ひとつ、訪《おとず》れてみよう」
 と龍太郎は、ツカツカと軒下へきて、開けっぱなしになっている雨戸の口からなかをのぞいてみると、うすぐらい灯《ともしび》のそばに、ひとりの男が、朱《あけ》にそまった老婆《ろうば》の死骸《しがい》を抱きしめたまま、よよと、男泣きに泣いているのであった。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%