日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 吉川英治 » 正文

神州天馬侠30

时间: 2018-11-30    进入日语论坛
核心提示:鞍馬の竹童    三 みんな空をむいて、同じように、眉毛《まゆげ》の上へ片手をかざしている。 烏帽子《えぼし》の老人、市
(单词翻译:双击或拖选)
 鞍馬の竹童
 
    三
 
 みんな空をむいて、同じように、眉毛《まゆげ》の上へ片手をかざしている。
 烏帽子《えぼし》の老人、市女笠《いちめがさ》の女、侍《さむらい》、百姓、町人——雑多《ざつた》な人がたかって、なにか評議《ひようぎ》の最中《さいちゆう》である。
「さて、ふしぎなやつじゃのう」
「仙人《せんにん》でしょうか」
「いや、天狗《てんぐ》にちがいない」
「だって、この真昼《まひる》なかに」
「おや、よく見ると本を読んでいますよ」
「いよいよ魔物《まもの》ときまった」
 この人々は、そも、なにを見ているのだろう。
 ここは近江《おうみ》の国、比叡山《ひえいざん》のふもと、坂本《さかもと》で、日吉《ひよし》の森からそびえ立った五重塔《ごじゆうのとう》のてッぺん——そこにみんなの瞳《ひとみ》があつまっているのだった。
 なるほどふしぎ、人だかりのするのもむりではない。太陽のまぶしさにさえぎられて、しかとは見えないが、鶴《つる》のごとき老人が、五重塔《ごじゆうのとう》のてッぺんにたしかにいるようだ。しかも目のいい者のことばでは、あの高い、登《のぼ》りようもない上でのんきに書物を見ているという。
「なに、魔物《まもの》だと? どけどけ、どいてみろ」
「や、今為朝《いまためとも》がきた」
 群集はすぐまわりをひらいた。今為朝《いまためとも》といわれたのはどんな人物かと見ると、丈《たけ》たかく、色浅ぐろい二十四、五|歳《さい》の武士《ぶし》である。黒い紋服《もんぷく》の片肌《かたはだ》をぬぎ、手には、日輪巻《にちりんまき》の強弓《ごうきゆう》と、一本の矢をさかしまに握《にぎ》っていた。
「む、いかにも見えるな……」
 と、五重塔のいただきをながめた武士は、ガッキリ、その矢をつがえはじめた。
「や、あれを射《い》ておしまいなさいますか」
 あたりの者は興《きよう》にそそられて、どよみ立った。
「この霊地《れいち》へきて、奇怪なまねをするにっくいやつ、ことによったら、南蛮寺《なんばんじ》にいるキリシタンのともがらかもしれぬ。いずれにせよ、ぶッぱなして諸人《しよにん》への見せしめとしてくれる」
 弓の持ちかた、矢番《やつがい》も、なにさまおぼえのあるらしい態度だ。それもそのはず、この武士こそ、坂本《さかもと》の町に弓術《きゆうじゆつ》の道場をひらいて、都にまで名のきこえている代々木流《よよぎりゆう》の遠矢《とおや》の達人《たつじん》、山県蔦之助《やまがたつたのすけ》という者であるが、町の人は名をよばずに、今為朝《いまためとも》とあだなしていた。
「あの矢先に立ってはたまるまい……」
 人々がかたずをのんでみつめるまに、矢筈《やはず》を弦《つる》にかけた蔦之助は、陽《ひ》にきらめく鏃《やじり》を、虚空《こくう》にむけて、ギリギリと満月にしぼりだした。
 塔《とう》のいただきにいる者のすがたは、下界《げかい》のさわぎを、どこふく風かというようすで、すましこんでいるらしい。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%