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神州天馬侠67

时间: 2018-11-30    进入日语论坛
核心提示:奇童と怪賊問答    三 竹童《ちくどう》は、ここでいささか得意気《とくいげ》に、ちいさな体をちょこなんとかしこまらせ、
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 奇童と怪賊問答
 
    三
 
 竹童《ちくどう》は、ここでいささか得意気《とくいげ》に、ちいさな体をちょこなんとかしこまらせ、両肱《りようひじ》をはって、ことばをつぐ。
「お師匠《ししよう》さまがつらつら亀卜《きぼく》の卦面《かめん》を案じまするに、すなわち、——富岳《フガク》ニ鳳雛生《ホウスウウ》マレ、五|湖《コ》ニ狂風生《キヨウフウシヨウ》ジ、喬木《キヨウボク》十|悪《アク》ノ罪《ツミ》ヲ抱《イダ》イテ雷《ライ》ニ裂《サ》カル——とござりましたそうです」
「なになに? 喬木《きようぼく》、雷《らい》に裂《さ》かると易《えき》にでたか」
 呂宋兵衛《るそんべえ》の顔色土のごとく変るのを見て、竹童《ちくどう》は手をふりながら、
「おどろいてはいけません、それは穴山梅雪《あなやまばいせつ》の身の上でした。ところで、裏《うら》をかえして見ますると、つまり裏の卦《か》、参伍綜錯《さんごそうさく》して六十四|卦《か》の変化《へんか》をあらわします。これによって結果を考えましたところ、今夕酉《こんせきとり》の下刻《げこく》から亥《い》の刻のあいだに、昼よりましたおそろしい大血戦が裾野《すその》のどこかで起るということがわかりました」
「むウ、それはあたっていた。して、勝負の結果は」
「さればでござります。にわかにわたくしが鷲《わし》にのってまいったのもそのため、残念ながらあなたの命《いのち》は、こよい乾《いぬい》の星がおつるとともに、亡《な》きかずに入り、腹心のかたがたもなかば以上は、あえない最期《さいご》をとげることとなるそうでござります。これを、層雲《そううん》くずれの凶兆《きようちよう》ともうしまして、暦数《れきすう》の運命、ぜひないことだと、お師匠さまも吐息《といき》をおもらしなさいました」
「えッ、なんといった。しからば呂宋兵衛のいのちは、こよいかぎり腹心のものも大半はほろぶとな?」
「そうおっしゃったことはおっしゃいましたが、ここに一つ、たすかる秘法《ひほう》があるのです。お師匠《ししよう》さまは、わたくしにその秘法《ひほう》をさずけ、あなたに会って、あることと交換《こうかん》にして教えてこい、だが、呂宋兵衛《るそんべえ》はずるいやつゆえ、もしも、こっちできくことをちゃんと答えなかったら、なんにもいわずに逃げてこい——といいつかってまいりました」
「待てまて、たずねることがあらば、なんでも答えるほどに、その層雲《そううん》くずれの凶兆《きようちよう》を封《ふう》じる秘法をおしえてくれ」
「ですから、まずわたくしのほうのたずねることからお答えくださいまし」
「よし、なんでも問うてみるがいい」
「ではおききもうします」
 と、竹童《ちくどう》はやおらひと膝《ひざ》のりだし、
「湖水のそこに沈めてありました石櫃《いしびつ》をあげて、なかにあった御旗楯無《みはたたてなし》の宝物《ほうもつ》をすりかえたのはたしかにあなた——これはお師匠さまも遠知の術《じゆつ》でわかっております。されどその宝物を、あなたはだれにわたしましたか、または、この山寨《さんさい》のうちにあるのですか。ききたいのはつまりそのこと一つです」
 呂宋兵衛は、心中すくなからずおどろいた。果心居士《かしんこじ》といえば、京で有名な奇道士《きどうし》だが、まさか、これまでに自分のしたことを知っていようとは思わなかった。それほどの道士なれば、竹童のことばもほんとうにそういないだろうし、ひそかに湖水からすりかえてうばった宝物は、いまでは手もとにないのだから打ち明けたところで、こっちに損得《そんとく》はない——と思った。
「そんなことならたやすいこと、いかにもあきらかに答えてやろう。だが……」
 と呂宋兵衛《るそんべえ》が武士《さむらい》だまりの者へ、チラとめくばせをすると、バラバラと立ちあがったふたりの荒《あら》くれ武士が、いきなりムンズと竹童《ちくどう》の左右から両腕《りよううで》をねじ押さえた。
「ア、おじさんたちはおいらをどうするんだい!」
「いやおこるな、竹童。こっちのいうことだけ聞いて逃げられぬ用心。そうしていても耳はきこえようからよく聞けよ。御旗楯無《みはたたてなし》の宝物《ほうもつ》は、ここにいる轟《とどろき》又八に京へ持たせて、いまはぶりも金まわりもよい羽柴秀吉《はしばひでよし》に金子《きんす》千|貫《がん》で売りとばした。それゆえ、いまの持主《もちぬし》は秀吉《ひでよし》、この山寨《さんさい》には置いてない。さ、このうえは果心《かしん》先生からおさずけの秘法《ひほう》をうけたまわろう」
「たしかにわかりました。では先生の秘法《ひほう》をおさずけもうします。そもそも層雲《そううん》くずれの大難《だいなん》は、どんな名将でものがれることのできぬものでござりますが、その難をさけるには、まず夜の酉《とり》から亥《い》のあいだに、四里四方けがれのない平野へでて、ふだんの護《まも》り神をおがみ、壇《だん》をきずいて霊峰《れいほう》の水をささげます。——次に、おのれの生年月日をしたためて、人形《にんぎよう》の紙をみ神光《あかし》で焼くこと七たび、かくして、十|方満天《ぽうまんてん》の星をいのりますれば、兇難《きようなん》たちどころに吉兆《きつちよう》をあらわして、どんな大敵に遭《あ》いましょうとも、けっしておくれをとるということがありません」
 呂宋兵衛は、怪力《かいりき》もあり幻術《げんじゆつ》にも長《ちよう》じているが、異邦人《いほうじん》の血のまじっている証拠《しようこ》には、戦いというものに対して、すこぶる考えがちがう。それに修道者《イルマン》でもあっただけに、迷信《めいしん》にとらわれやすかった。
 つまりかれがもっているいちばんの弱点に、うまうまと乗《じよう》じられた呂宋兵衛《るそんべえ》は、まったく竹童《ちくどう》の言《げん》に惑酔《わくすい》して穴山《あなやま》の残党《ざんとう》がなんといおうと、轟《とどろき》や昌仙《しようせん》のやからが疑《うたが》わしげに反省をもとめても、頑《がん》としてきかず、秘法の星まつりを行うべく、手下の野武士《のぶし》に厳命《げんめい》した。
 ために、軍議はしぜんと、夜に入って四里四方けがれなき平野に、その式をすましたうえ、出陣ときまってしまった。
 その用意のものものしいさわぎのなかで、有卦《うけ》に入《い》っていたのは竹童《ちくどう》だ。別間《べつま》でたくさんな馳走《ちそう》をされ、鞍馬《くらま》では食べつけない珍味の数々を、箸《はし》と頤《あご》のつづくかぎりたらふくつめこみ、さて、例の棒切《ぼうき》れ一本さげて、飄然《ひようぜん》とここを辞《じ》してかえる。
 さしも、はげしかった昼の雷雨に、乱雲のかげは、落日とともに澄《す》みぬいていた。西の甲武《こうぶ》連山は茜《あかね》にそまり、東|相豆《そうず》の海は無限の紺碧《こんぺき》をなして、天地は紅《くれない》と紺《こん》と、光明とうす闇《やみ》の二色に分けられ、そのさかいに巍然《ぎぜん》とそびえているのは、富士《ふじ》の白妙《しろたえ》。
 ——すると、この夕方を、人穴《ひとあな》から上へ上へとはいあがっていく豆つぶ大の人影が見えた。それはどうも竹童らしい。見るまに、二|合目《ごうめ》の下あたりから鷲《わし》にのって、おともなく五|湖《こ》のほうへとび去った。
 
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