日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 吉川英治 » 正文

神州天馬侠68

时间: 2018-11-30    进入日语论坛
核心提示:銀河の箭づくり    一 富士の二|合目《ごうめ》をはなれ、いっきに、五湖の水明かりをのぞんで飛行していた竹童《ちくどう
(单词翻译:双击或拖选)
 銀河の箭づくり
 
    一
 
 富士の二|合目《ごうめ》をはなれ、いっきに、五湖の水明かりをのぞんで飛行していた竹童《ちくどう》は、夜の空から小手《こて》をかざして、しきりに、下界《げかい》にある伊那丸主従《いなまるしゆじゆう》のいどころをさがしている。
「オオ暗い、暗い、暗い。天もまッ暗、地もまッ暗。これじゃいったいどこへ降《お》りていいんだか、お月さまでもでてくれなきゃア、けんとうがつきあしない」
 大空で迷子星《まいごぼし》になった竹童は、例の、寝るまもはなさぬ棒切《ぼうき》れを右手《めて》にもち、左の手を目のはたへかざして、鷲《わし》の上から、
「オオーイ、オオーイ」と、とうとう声をはりあげて呼びだした。
 しかし、竹童の声ぐらいは、竹童じしんが乗っている鷲の羽風《はかぜ》に消《け》しとばされてしまった。そのかわり、人ではないが、はるかな地上にあたって、馬のいななくのが高く聞えた。
「おや、馬のやつが返辞《へんじ》をしたぞ」
 と、つぶやいたが、その竹童のかんがえはちがっている。動物は動物にたいして敏感であるから、いま、下のほうでいなないた馬は、ここにさしかかってきた闇夜《あんや》飛行の怪物の影に、おどろいたものにそういない。
 けれど竹童《ちくどう》は、馬が答えたものと信じて、いきなり、棒切れをピューッと下へふった。と、クロはたちまち身をさかしまにして、ツツツツ——と木《こ》の葉《は》おとしに降《お》りていく。
「あ、ここはどこかのお宮の庭だな……」
 鷲《わし》からおりて、しばらくそのあたりをあるいていた竹童は、やがて、拝殿《はいでん》からもれるほのあかりをみとめ、そッと忍《しの》びよってみると、たしかに六、七人のささやき声がする。
「いた!」かれは思わず叫んで、
「おじさん! おじさんたち」
 呼ぶ声と一しょに、拝殿のなかにいた者は、どやどやと、それへでてきて、七つの人影をあらわした。
「何者じゃッ」と竹童をねめつけた。
「おいらだよ、鞍馬山《くらまやま》の竹童だよ」
「おお、竹童か」
 ほとんど、そのなかの半分以上の者が、口をあわしてこういった。木隠龍太郎《こがくれりゆうたろう》も、忍剣《にんけん》も、民部《みんぶ》も蔦之助《つたのすけ》も小文治《こぶんじ》も竹童にとればみな友だちだ。
 ただ、床几《しようぎ》にかけて、かれを見おろしていた伊那丸《いなまる》だけが、すこし解《げ》せないようすである。
「龍太郎《りゆうたろう》。そちたちはこの童《わらべ》をよう知っているようじゃが、いったいどこのものであるの」
「さきほどお話しもうしあげました、果心居士《かしんこじ》の童弟子《わらべでし》でござります」
「おおあれか」
 伊那丸はニッコリして竹童《ちくどう》を見なおした。竹童もニヤリと笑って、ともするとなれなれしく、じぶんの友だちにしてしまいそうだ。
「これ竹童、伊那丸君《いなまるぎみ》のおんまえ、つッ立っていてはならぬ、すわれすわれ」
「いや、そう叱《しか》らぬがよい、鞍馬《くらま》の奥《おく》でそだった者じゃ、その天真爛漫《てんしんらんまん》がかえって美しい。したが、おまえはここへ、何用があってきたのか」
「はい」竹童はかしこまって、
「お師匠《ししよう》さまのおいいつけでござります」
「なに、果心《かしん》先生からここへお使いに?」
「さようでござります。みなさまは、きょう穴山梅雪《あなやまばいせつ》をお討《う》ちになって、さだめしホッとなされたでござりましょうが、勝って兜《かぶと》の緒《お》をしめよ、ここでごゆだんをなされては大へんでござります」
「む、伊那丸はけっしてゆだんはしておらぬぞよ」
「では、湖水の底から引きあげた石櫃《いしびつ》の蓋《ふた》をとって、なかをあらためてごらんになりましたか」
「いや、ほかのところへかくしたものとちがって、湖底へ沈めておいた石櫃、あらためるまでもない」
「ところが、お師匠《ししよう》さまの遠知の術では、どうも、石櫃のなかの宝物《ほうもつ》にうたがいがあるとおっしゃいました。それゆえ、にわかにお師匠さまにいいふくめられて、この竹童《ちくどう》が、鷲《わし》の翼《つばさ》のつづくかぎり、とびまわったのでござります。どうぞみなさま、いっこくもはやく、石櫃をおあらためくださいまし」
「さては、それが伊那丸《いなまる》のゆだんであったかもしれぬ。忍剣《にんけん》、忍剣、ともあれ石櫃をここへ。また、小文治《こぶんじ》と龍太郎は、あるかぎりのかがり火をあたりにたき立ててください」
「はッ」
 席を立った者たちが三つ脚《あし》のかがり火を、左右五、六ヵ所へ炎々《えんえん》と燃したてるまに、忍剣は、さきに梅雪《ばいせつ》の郎党《ろうどう》たちが、湖底から引きあげておいた石櫃をかかえてきて、やおら、伊那丸のまえにすえた。
「こう見たところでは、蓋《ふた》の合口《あいくち》に異状《いじよう》はないが」
「青苔《あおごけ》がいちめんについているさまともうし、一ども人の手にふれたらしい点はみえませぬ」
「とにかく、蓋《ふた》をはらってみい」
「心得《こころえ》ました」
 と忍剣《にんけん》は立ちあがって、グイと法衣《ころも》の袖《そで》をたくしあげ厳重な石の蓋《ふた》をポンとはねのけてみた。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%