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神州天馬侠69

时间: 2018-11-30    进入日语论坛
核心提示:銀河の箭づくり    二「や、やッ」まず忍剣がきもをつぶした。「どういたした。なんぞ変りがあったか」 伊那丸《いなまる》
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 銀河の箭づくり
 
    二
 
「や、やッ」まず忍剣がきもをつぶした。
「どういたした。なんぞ変りがあったか」
 伊那丸《いなまる》もおもわず床几《しようぎ》から腰をうかした。
「ちぇっ。これごらんなさりませ」
 と、くやしそうに忍剣が石櫃を引っくりかえすと、なかからごろごろところがりだしたのは、御旗楯無《みはたたてなし》の宝物《ほうもつ》に、似《に》ても似つかぬただの石ころ。
「むウ……」
 伊那丸は顔いろをうしなった。それはむりではない、武田家重代《たけだけじゆうだい》の軍宝——ことに父の勝頼《かつより》が、天目山《てんもくざん》の最期《さいご》の場所から、かれの手に送りつたえてきたほど大せつな品《しな》。
 それがない!
 ないですもうか。
 御旗楯無の宝物は、武田家の三種の神器《じんぎ》だ。これを失っては、甲斐源氏《かいげんじ》の家系《かけい》はなんの権威《けんい》もなくなってしまう。伊那丸《いなまる》をはじめ他の六人まで、ひとしくここに、色をうしなったも当然である。
「アア、やっぱり、おいらの先生はえらい——」
 そのとき、嘆《たん》ずるようにいったのは竹童《ちくどう》だった。
「ああ、どこまで武田家は衰亡《すいぼう》するのであろうか……」
 と嘆《たん》じあわして、伊那丸もつぶやく。
「大じょうぶだよ」竹童は棒切《ぼうき》れを杖《つえ》にしてふいにつっ立ち、気の毒そうに伊那丸の面《おもて》を見あげた。
「大じょうぶだ大じょうぶだ。そのなかの物がなくなっても、ぬすんだやつはわかってるから……おいらがちゃんとかぎつけてきてあるから——」
「なに! ではおまえがその者を知っているか」
「ああ知っている。そいつは、人穴《ひとあな》の殿堂にいる和田呂宋兵衛《わだるそんべえ》という悪いやつだよ。そして、盗《ぬす》んだ宝物《ほうもつ》は、手下を京都へやって、羽柴秀吉《はしばひでよし》に売ってしまったんだ——これはきょうおいらが呂宋兵衛と問答して、鎌《かま》をかけてきいてきたんだからまちがいのないことなんだ」
「えッ、では御旗楯無《みはたたてなし》をぬすんだやつも、あの人穴《ひとあな》の呂宋兵衛か……」
 と、伊那丸が意外そうな瞳《ひとみ》を咲耶子《さくやこ》に向けると、彼女も、思いがけぬことのように、
「わたしにとれば父をころした悪人。伊那丸さまにはお家《いえ》の賊《ぞく》、八つざきにしてもあきたりない悪党《あくとう》でござります」
 と、やさしい眉《まゆ》にもうらみが立った。
 伊那丸《いなまる》は床几《しようぎ》をはなれ、そしてうごかぬ決意を語気にしめしていった。
「みなのもの、わしはこれからすぐ人穴《ひとあな》の殿堂へ駈《か》けいり、呂宋兵衛《るそんべえ》の首を剣頭にかけて、祖先におわびをいたすつもりだ。一つには、恩義のある咲耶子《さくやこ》への助《すけ》太刀《だち》、われと思わんものはつづけ、御旗楯無《みはたたてなし》をうしなって、武田《たけだ》の家なく、武田の家なくして、この伊那丸はないぞ!」
「お勇ましいおことば、われわれとて、どこまでも君《きみ》のお供《とも》いたさずにはおりませぬ」
 山県蔦之助《やまがたつたのすけ》、忍剣《にんけん》、龍太郎《りゆうたろう》、小文治《こぶんじ》などの、たのもしげな勇士たちは、声をそろえてそういった。
「おう、わたしを入れてここに七|騎《き》の勇士がある。咲耶子も心づよく思うがよい、きっとこよいのうちに、きゃつの首を、この剣《つるぎ》の切《き》ッ先にさしてみせよう。忍剣、馬を馬を!」
「はッ」
 バラバラと樹立《こだ》ちへはいった忍剣は、梅雪《ばいせつ》一党《いつとう》が乗りすてた駒《こま》のなかから、逸物《いちもつ》をよって、チャリン、チャリン、チャリン、と轡金具《くつわかなぐ》の音をひびかせて、伊那丸のまえまで手綱《たづな》をとってくると、いままで黙然《もくねん》としていた小幡民部《こばたみんぶ》が、
「しばらく——」と、駒をおさえて頭《ず》をさげた。
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