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松のや露八14

时间: 2018-11-30    进入日语论坛
核心提示:竹婦人三 居《い》たたまれない。 庄次郎は人心地がしなかった。よくよく、(出直そうか?) と思ったが、預け物のうち、竹刀
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 竹婦人
 
 
 居《い》たたまれない。
 庄次郎は人心地がしなかった。よくよく、
(出直そうか?)
 と思ったが、預け物のうち、竹刀《しない》はとにかく、皆伝の目録だけは、どうしても、持ち帰らなければ、屋敷へ戻って、父に怪しまれるし、明日の親類どもの披露《ひろう》の宴には第一にさしつかえる。
(我慢だ)
 十何年間、道場へ、叩かれに通った辛抱を思えば——と、彼は、我慢の膝《ひざ》に、拳《こぶし》をついていた。
 とん、とん、
 誰か、二階から降りてくる。
(さては、稽古が終わったか)
 ほっとしていると、梯子段《はしごだん》の上から見たのが、白《しろ》足袋《た び》、袴《はかま》、紗《しや》の羽織——提《さ》げ刀《がたな》をした——いい年配の武家が三人。
「お喜代、草履《ぞうり》をだしてくれい」
「お帰りでございますか」
「ム。平清《ひらせい》に、寄りあいがあるでのう。——どうじゃ、わしの喉《のど》は、近頃は、ずんと、しぶかろう」
「大きい姉さんと、階下《し た》で、聞き恍《と》れておりました」
「大きい姉さん? ……。ムム、お蔦《つた》のことか、何せい、この家は、上の姉、中の姉、それから、下のと——三人も美人の姉妹《きようだい》がおるので眼うつりがする」
 自分の噂をされたので、お蔦も、顔をだして、
「おや、もうお帰り?」
「いたのか」
「いたのかは、ござんすまい」
「でも、昼寝していたじゃないか」
「お声に、聞き惚れてうとうとと」
「うそを申せ」
「ほんと。めッきり、三味線もお巧者になるし……。そのうちに、水神《すいじん》あたりで、しんみり伺わせてもらいましょうかね」
「だが、そちは、嫁に参ったはずではないか。いつまで、ここにもおるまい」
「出戻《でもど》りに、そう、恥をかかせるものじゃございませんよ」
「恥——。馬鹿をいえ。ここへ稽古に来ていた小普請組《こぶしんぐみ》の息子とかに、熱くなって、さんざ、吾々に惚気《のろけ》ていたこともあるぞ」
「もう、お侍は、こりごり」
「離縁されたか」
「こっちから、してやったんですよ。当節のお武家方は、お口はうまいし、服装《な り》は華奢《きやしや》だし、女を買いかぶらせることには、役者衆の上手《うわて》だから、もう、二本差した男には、金輪際《こんりんざい》、惚れないことにきめたんですとさ」
「ははは、よくよく、懲《こ》りたな。だから、云わんことじゃない。惚れるなら、吾々のような、野暮な用人とか、年老《としと》ったお留守居役に、惚れるものだと」
「その、お留守居役様は、また、どこへいらっしても、箒《ほうき》だし」
「こいつめ。ハハハ」
 ぞろぞろと、出て行く——
 白昼公然と、新道の奥から、出て行くのである。
 しばらくすると、また一人、また三、四人と、順々に二階から降りては、帰って行った。その半分以上が、侍なので、庄次郎は、意外に思った。昌平黌《しようへいこう》と、道場のほかにも、武士が稽古に通うところがあるのを初めて知って、彼は、少し世間を考え直した。
 やっと、稽古が、終わったらしい。
「まあ、お待たせいたしました。——喜代や、気がきかないね、冷たい井戸水で、おしぼりでも、差し上げたらいいじゃないか」
 愛想を云いつつ、師匠の荻江お里は、やっと、彼の前に坐った。
 この女《ひと》が、真ん中の姉とみえる。二十三、四でもあろうか。小股《こまた》のきれあがった美しい女である。そういえば、一番うえの洗い髪も、年下の娘も、揃いも揃って、容貌《きりよう》よしだった。
「初めて、お目にかかる者でござるが——」
 と庄次郎は、もじもじ切りだした。
「何かご用でも」
「実は」
 頭を掻いて、
「昨夜、酩酊《めいてい》した友達どもが、悪戯《いたずら》半分に、当家の窓口から、抛《ほう》り込んだ品があるはず、じつは、拙者の品でござる。それを、頂戴《ちようだい》に参ったのだが」
「アア、あの水引の掛けてあった竹刀《しない》でございましょう。——それと、お風呂敷《ふろしき》」
「左様」
 お里は、笑ったり、困ったような顔つきをしながら、
「その品ならば、お気の毒ですが、もう私どもの家《うち》には、ございませんよ」
「えっ」
 彼は、色を失った。
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