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贋食物誌54

时间: 2018-12-08    进入日语论坛
核心提示:    54 鰻(うなぎ)㈰ 十年|一《ひと》むかし、というが、一昔半くらい前、夜の観光バスというのに乗って、記事を書いた
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     54 鰻(うなぎ)㈰
 
 
 十年|一《ひと》むかし、というが、一昔半くらい前、夜の観光バスというのに乗って、記事を書いたことがある。東京育ちの人間が、観光案内のバスに乗るというところに、記事の狙いがあった。
 現在はどういうコースになっているか知らないが、日劇ミュージックホールなども含まれており、夕食もたべることになっていた。
 バスが浅草の駒形《こまかた》に停まると、ウナギかドジョウか、どちらかの店に行くことになる。
「ウナギか、ドジョウか」
 と、バスガールが乗客にたずねてまわるが、ウナギを選ぶ客のほうが、八対二くらいの率で多かった。嗜好《しこう》の問題もあるのだろうが、同じ観光料金を払っているのだからどうせ食べるなら高いもののほうがよろしい、という発想もあったろうと考えている。私はドジョウを選んだのだが、これは希望者がすくなければ混雑もすくないだろう、というだけの狙いである。
 ところで、先日書いた泥鰌豆腐について、「ある出版社の老編集者」という匿名の投書がきて、クレームがつけられた。
『吉行先生は、泥鰌と豆腐についてお書きになっていましたが、あれは「泥鰌地獄」という名で昔から流布された幻の料理なのです。そして、あの料理は、もう幾年も前に解決ずみの筈です。と申しますのは、泥鰌が豆腐の中にもぐり込むというのは虚構のことなのです』
 手紙の一部を引用させてもらった。その途中で、「もちろんご承知のこととは思いますが」と書いてあったが、私には「幻の料理」とは初耳であった。
 そういう料理を食べたような朧《おぼろ》げな記憶がある、という人の話も聞いたし、九州柳川のドジョウ屋でその料理を食べさせられかかって、こわいので逃げてきた、という女性の話も聞いた。ただし、この場合、料理屋に入っただけであとは話を聞いて逃げてしまったので、現場を見たわけではないそうだ。
 その手紙には、謬《あやま》った知識を若い人に教えたくない、という意味のことが書いてある。さっそく夕刊フジの編集部に頼んで、調べてもらった。
 駒形に、電話をかけてたずねてみたそうである。あの店は通称「駒形どぜう」と呼んでいるが、たしか越後屋という店名がある筈である。以下は、その店の主人の返事の要約である。
 熱いナベの中に豆腐とドジョウを入れると、ドジョウが暴れすぎるのでもぐりこまれた豆腐が毀《こわ》れてしまう。また、ナベの水をしだいに熱くすると、ドジョウがぐったりしてしまうのか、豆腐にもぐりこまない。
 しかし、賀陽宮《かやのみや》が昔その料理を食べたという話を聞いたことがあるし、北陸地方にその料理がある、とも聞いている。
 そこで考えられることは、まずドジョウをまるごと煮て味をつける。つぎに豆腐に穴をあけてそこへ突っこみ、あらためてナベに入れて味つけする、としか考えられない。「しかし、正確なことは分かりません。夕刊フジさんよ、よく調べて教えてください」と、逆に頼まれてしまった、という。
 結局、投書の内容が正しいと考えてよいとおもう。訂正します。
 それにしても、しだいに熱くなってゆくナベの中のドジョウが、あとから入れた豆腐にもぐりこむという話は、眼に浮ぶようによくできている。その後、異説も出てきたが、もう面倒くさい。
それは机上の空論と断定しておくことにしよう。
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