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今日からマ王6-9

时间: 2018-04-29    进入日语论坛
核心提示:     9 受け取ったのは予想外の言葉だった。「何故ぼくが行ってはいけないのですか!?」 ヴォルフラムは我が耳を疑った。
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 受け取ったのは予想外の言葉だった。
「何故ぼくが行ってはいけないのですか!?」
 ヴォルフラムは我が耳を疑った。
「捜索《そうさく》隊はもう編成した。本国、自治区、占領《せんりょう》区、諸島地域など、七方向に展開する。新たな事実や情報も加えて検討した結果、今夕にもシマロンに向けて出立する予定だ」
 フォンヴォルテール|卿《きょう》は遠征《えんせい》経路が記された地図を開いた。|椅子《いす》の上にちんまりと載《の》せられた人形を、|不《ふ》|機嫌《きげん》そうな横目でちらりと見る。
「本来なら私自身が行きたいところだが、不在時に城を預かるギュンターがあれではな」
 おキクはカタつく顎《あご》をだらしなく下げたまま、宙に視線を漂《ただよ》わせていた。目も眉も三日月形に笑っているのに、瞳の奥は笑っていない。正直、かなり怖《こわ》かった。
「王城を人形任せにし、王都を空にするわけにはいくまい」
「ですから、ぼくがッ」
「お前が同行するとなると、指揮権を移さねばならんだろう。人選にも余計な時間がかかる。出立が一日|遅《おく》れれば、それだけ現地|到着《とうちゃく》も遅れる。こういうことは|迅速《じんそく》さが重要なんだ」
「|変更《へんこう》の必要はありません! 帯同させてもらわなくとも、ぼくはぼくで独自に行動します。部下も準備も自分で……」
「それは禁じる」
「兄上っ!?」
「お前が遠征した場合、そちらへの不測の事態にも備えねばならん。単独であろうとなかろうと、捜索、救出いずれの理由でも出立を禁じる。私にこれ以上の手間や時間をかけさせるな。ユーリのためを思うのなら尚更《なおさら》だ。おい、第二隊の副官が空欄《くうらん》だぞ、マカルヒンは誰を指名したのだ? それから、第四隊の構成比率が五・三・二になっていない。一人増やしてでもウェラー卿の配下から連れて行け。彼等は人間の文化に詳《くわ》しい。畏《かしこ》まっている必要はない、走れ」
 指示を受けた若い兵士達が、慌《あわ》ただしくそれぞれの所属へと戻ってゆく。確認事項《かくにんじこう》を次々と処理する長兄《ちょうけい》を、ヴォルフラムは|充血《じゅうけつ》した目で見詰《みつ》めていた。昨日から一睡《いっすい》もしていないが、高揚《こうよう》しすぎて眠気《ねむけ》を感じない。
「ギレンホールから発《た》つ第三、五隊は順調か? ヒスクライフがヒルドヤードで民間の探索《たんさく》屋を雇《やと》うそうだし、カヴァルケードから非公式の人員が散る。連絡《れんらく》用の骨牌《かるた》は白、黄、赤の順だ。見間違《みまちが》えないようにしっかり|記憶《きおく》しておけ。フォンビーレフェルト卿」
「はい」
 姓《せい》で呼ばれて|虚《きょ》を突かれた返事をし、反射的に顔を上げた。
「行って欲しくない理由が判るか」
「……ぼくが短気で、我が|儘《まま》だからですか」
「それもあるな」
 固く|握《にぎ》った|拳《こぶし》の中で、貝細工の角が指に食い込む。
「慎重《しんちょう》さに欠け、感情的で、敵勢力下で目立たずに行動することができないからですかっ」
「うん、よく自己|分析《ぶんせき》ができている。だが最大の理由はどれでもない」
「では何故です」
 グウェンダルは襟《えり》の釦《ボタン》を一つ外し、椅子を引いてやっと座った。瞳の青が翳《かげ》っていつもより濃《こ》い。
「その答えは城で私の補佐《ほさ》をする間、自らの頭で考えろ」
 
 
 馬を牽《ひ》くギーゼラに気付いたのは、食事もろくに喉《のど》を通らないまま午後も半ばを過ぎた頃《ころ》だった。
 ヴォルフラムは、禁を破ってでもシマロンに渡《わた》ろうと、信頼《しんらい》のおける兵士達にそれとなく声をかけて回っていた。皆《みな》が彼を支持し、何人もが自ら同行を志願した。
 だが冷静に考えれば、彼等はビーレフェルトの兵である前に|眞魔《しんま》国の軍人だ。最高位にある王が国を空けている以上は、その代行者であるフォンヴォルテール卿の意に従うのが筋だ。あえて命に反する道を選んだと知れれば、彼等の男気も反逆|行為《こうい》ととられてしまう。
 名誉《めいよ》もあれば家族もある男達を、自分の勝手で路頭に迷わせるわけにはいかなかった。
 いよいよ単身乗り込むしか策はないかと、中庭に向かう石通路を歩いていたときだ。
 ギーゼラは馬場にでも向かう|途中《とちゅう》なのか、数人の男と連れだって楽しげに愛馬の首を撫《な》でている。
「あら、閣下、|先程《さきほど》はどうも」
 うなじ近くで丸くまとめた焦《こ》げ茶の髪《かみ》には、銀のピンが小さく輝《かがや》いていた。
「ギュンターなら兄上と一緒だぞ。椅子の上でぶつぶつ呟いてる」
 時々、目から真っ赤な光を放つのだ。ギーゼラは口元に指を当て、困ったような顔をした。
「……不気味そうで、本当にごめんなさい」
「お前が謝ることでもないだろう」
「でも、わたしの|自慢《じまん》の父ですから。なのに、おキクは大本営に詰《つ》めっきりだし、雪ギュンターはアニシナ様が付きっきり。わたしは介護《かいご》もさせてもらえません。だから、ね?」
 ギーゼラはにっこりと後ろに顔を向け、|一緒《いっしょ》だった男四人に問いかけた。
「わたしたち、これを機に休みをとることにしたんです。超過《ちょうか》勤務も多かったし、ここ数年、長期|休暇《きゅうか》もとっていなかったので」
「なるほど、今ならギュンターも煩《うるさ》いことを言わないだろうしな」
「ええ。それで、いつも何かと気を遣《つか》わせてる養父の部下の方と、親睦《しんぼく》を兼《か》ねて慰安《いあん》旅行を計画したんです。みんな温泉が大好きなので」
 見ると四人のうち、半分は知った顔だった。特に左端の頭つるぴか男は、城内で年中見かけている。ダカスコスとかいったろうか。
 フォンクライスト卿付きの兵士達の殆《ほとん》どは、各所属から派遣《はけん》されてきた連中だ。親衛隊とごく一部の警護兵だけが、|王佐《おうさ》が自由に動かせる限界だった。それ以外の|全《すべ》ての兵力は、王の名の下《もと》でなければ動かない。
 彼等はそのごく一部の警護兵達で、この度《たび》の|緊急《きんきゅう》配備にもお呼びがかからないようだ。
 兵士というよりは勤め人、戦いというよりは雑用が仕事だ。
 ヴォルフラムは上から下まで視線を動かし、ギーゼラの格好《かっこう》と荷物を確認した。白と苔緑の簡素な乗馬服姿で、身を飾《かざ》る金も宝石もない。荷はといえば大きめの背嚢《はいのう》が一つずつと、食糧用《しょくりょう》らしき革袋《かわぶくろ》が鞍《くら》からぶら下がっているだけだ。
「温泉だって? その軽装で?」
「ああ、閣下は貴族の|皆様《みなさま》のご旅行に慣れていらっしゃるから、衣装《いしょう》箱を持たない女が|珍《めずら》しいんですね。わたしは軍隊の生活が長いので、汚《よご》れて困るような|綺麗《きれい》な服を着ないんです。動くのに神経を遣《つか》うでしょう?」
 ギーゼラは連れの四人を|紹介《しょうかい》し、彼等は畏《かしこ》まってヴォルフラムに|挨拶《あいさつ》した。最後の一人だけは|黙《だま》って頭を下げながら、人相の悪い三白眼で元王子を観察していた。
 ギーゼラは、城に残るヴォルフラムの手をそっと握った。
「ヒルドヤードからヴィーア二島に向かうつもりです。火祭りの時期ではなくて残念だけれど、調子が良ければもっと先まで足を延《の》ばすかもしれません。帰国が遅れたら養父《ちち》のこと、宜《よろ》しくお願いします。心配かけて申し訳ないとお伝えください」
「ああ、おキクのほうに伝えておく」
 まるで二度と戻《もど》らないような|口振《くちぶ》りなので、この中の誰《だれ》かと駆《か》け落ちでもするのかと邪推《じゃすい》してみる。しかし昼前に眞王|廟《びょう》で会ったときには、彼女はきっとコンラートにご執心《しゅうしん》なのだろうと思ったものだが……。
「ギーゼラ!」
 やっと気付いて呼びとめる。
 過ぎていた一行が馬を止め、斜《なな》めの日射《ひざ》しを逆光にして振《ふ》り返った。一族の特徴《とくちょう》である青白い肌《はだ》が、陽《ひ》を浴びて橙《だいだい》に染まっている。
「どうしました?」
「ぼくも行っていいか」
「は?」
「慰安旅行だ」
 ヴォルフラムは服の隠《かく》しを探《さぐ》った。束ねた紙幣《しへい》が指先に当たる。眞王廟で賄賂《わいろ》がわりに使おうとした分だが、これだけあれば服くらいは揃《そろ》うだろう。もちろん最高級の絹の服だ。それを買わずに済ませれば、何月分かの旅費にもなる。
「慰安旅行に、ぼくも、行きたいんだ」
「ええ、もちろん」
 まるで答えを予想していたみたいに、ギーゼラは癒《いや》しの右手を差しだした。
 頭部が|眩《まぶ》しい中年兵士が「貧乏《びんぼう》旅行ですよー」と|呆《あき》れて言い、人相の悪い三白眼の男が、逆光にまぎれて忍《しの》び笑った。
 ヴィーア二島はシマロン領の西端《せいたん》だ。ノー・ダン・ヴィーアからはシマロン本国への船も出ている。彼等の旅行がどこまでになるのかは|訊《き》かないが、|恐《おそ》らく目的は同じだろう。
 彼女にこそこれが必要なのかと考えて、ヴォルフラムは右掌《みぎてのひら》をやっと開いた。|汗《あせ》にまみれた小さな貝細工が、半分黒いままで載《の》っている。
「コンラートの飾り釦だが」
「左腕《ひだりうで》から?」
「そうだ。もし必要なら……」
 ギーゼラは爪《つめ》の先でそれを摘《つま》み、陽《ひ》に翳して形を確かめた。それから再び弟の手に戻し、本当に久しぶりにおかしげに笑った。
「多分、閣下は誤解されてるわ」
「誤解なんか……」
「いいえ。わたしがコンラート閣下に特別な感情を持っていると思われてるでしょう」
「違《ちが》うのか?」
 軽やかな身のこなしで鞍に跨《またが》り、先頭を切って駆けだす。
「わたしはただ、友人との約束を果たしたいだけです」
 友人って誰だ、約束って何だ? まさかユーリのことではあるまいな。ヴォルフラムは厩舎《きゅうしゃ》に向かう兵から馬を取り上げ、「温泉旅行ご一行様」の後を追う。
 訊く間もなかった答えを知るためにも、絶対にユーリを、取り戻す。
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