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食物ことわざ事典101

时间: 2020-01-15    进入日语论坛
核心提示:春の料理には苦味を盛れ 雪国にもようやく遅い春が巡ってくると、山野の雪もいつしか消え、野にも山にも一面青さが増してきます
(单词翻译:双击或拖选)
春の料理には苦味を盛れ

 雪国にもようやく遅い春が巡ってくると、山野の雪もいつしか消え、野にも山にも一面青さが増してきます。
そのころの季節、出羽路を旅しますと、朝市に採りたてのこごみ、ぜんまい、わらび、うど、たらのめ、みず、ふきといった山野の幸が並んでいます。雪国のひとびとにとって、これらは、春の息吹を伝えてくれる季節の使者。食卓にのせ、舌で味わうことによって、春をほのぼのと実感するのです。
ふきやうどをはじめ、長い冬の寒さに耐えて芽を出す山野草は、どれもこれも、みずからの生命力を誇示するかのように、特有のえぐ味や苦味をもっています。
明治の食養家、石塚左玄は、日本人の体質や風土に合った食物の摂《と》り方として、
春苦味夏は酢の物秋辛味 冬は油と合点して食へ
といった道歌をのこしています。この歌は、季節ごとに出回るものを食べろ、それが自然とともに生きる人間の生理にかなった健康食になると、主張しています。
季節ごとの食べもの、いわばしゅんものと、からだの関係はどうなっているのでしょうか。
春、私たちのからだは、冬の間に蓄えられた脂肪分を徐々に体外に排出しつつ、夏の暑さに耐える準備をしなければなりません。それには野菜類をとるのが効果的ですが、この時季に出回るふき、せり、よもぎ、うど、よめななどは総じて苦味やえぐ味など、いわゆる|あく《ヽヽ》の強いものが多く、石塚左玄のいう苦味を摂っていることになります。
夏、暑さをしのぎ、衰えがちな食欲をひきだすには、酸味のあるものがよいと言うのは、ご存知の通りです。夏場においしいきゅうりやトマトなどは、多少の酸味を含んでいます。
秋、夏の暑さでバテたからだに刺激を与えるとともに、来たるべき冬に向けて、脂肪分を徐々に摂り込む時期です。食欲が進む季節ではありますが、ピリッとした辛みは、さらに食欲の増進に効果的。秋に出回るしょうがやとうがらしを食することは、理にかなったことといえます。
冬、寒さに耐えるには、脂肪分が必要です。寒ブリに代表される、脂の乗りきったしゅんの魚を食卓にのせることが大事だという主張もうなずけます。
石塚左玄の説を待つまでもなく、しゅんものと人間のからだの生理は、実に見事な因果関係を保っていることがお分りいただけると思います。こうした原理を、昔のひとびとは体験的に承知していて、「春の料理には苦味を盛れ」と教えました。茶懐石や食養法では、単に季節のものを尊ぶばかりでなく、持ち味の充実した、鮮度のいいしゅんものを選びます。時季はずれや珍しいだけの初物には、それほど評価を与えず、むしろ避けているくらいです。
苦味をともなう春の山野草は、慣れないと、その|あく《ヽヽ》の強さから食べにくいかもしれません。しかし、この|あく《ヽヽ》こそ、山野草のもつ個性味というものです。その苦味を生かしつつ、いかにしておいしく食べるかに、醍醐味があると言えます。
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