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食物ことわざ事典108

时间: 2020-01-15    进入日语论坛
核心提示:河豚食う無分別食わぬ無分別 街に木枯しが吹きはじめるころになると、ふしぎとフグが食べたくなります。季節への義理──という
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河豚食う無分別食わぬ無分別

 街に木枯しが吹きはじめるころになると、ふしぎとフグが食べたくなります。季節への義理──というものでしょう。フグは春から初夏へかけてが産卵期で、それ以前の十月から三月までが、いわゆる食べ頃のしゅんです。
日本近海で獲《と》れるフグは三〇種類近くありますが、このうちフグ料理用に使われるのはトラフグ、カラス(ガトラ)、マフグが主です。このほか、アカメフグ、ヒガンフグ、ショウサイフグなど、約一三種類が食用になります。
昔から「フグは食いたし命は惜しし」と言われるほど、フグの淡泊な味は捨てがたく、命を的にしてまで食用に供されたことはご存知のとおりです。このことわざもその間の消息をみごとに言い表わしたもので、「フグは食いたし命は惜しし」にくらべると、いささかもったいぶった表現になっているものの、言いたいことは同じです。
フグの味は古来魚類中最高のものとされていますが、また有毒なことも極めつきで、ともすれば中毒して、命を落とすものが絶えなかったので、こうした言い方、ことわざも生まれたのでしょう。新井白蛾の『牛馬問《ぎゆうばもん》』という随筆に、
「河豚は喰合《くひあはせ》の毒|甚《はなは》だ多し。又薬物《またやくぶつ》と敵す。此の魚を食ふ人は一日の中薬《うちくすり》を服すべからず。猥《みだり》に他物を食すべからず。腹中《ふくちゆう》の膵を西施《せいし》乳といふ。是は西施が美にして国を乱《みだ》す。此の魚の味美にして毒《どく》あるに比《ひ》するなるべし。※[#「魚+屯」、unicode9b68]の字を正《たゞし》とす」
と、見えております。古川柳ではこれを、
ふぐ汁の様なものだと妾を見
とやっています。フグは一名を鉄砲と言われ、北静廬の『梅園日記《ばいえんにつき》』に、
「江戸卑賤《えどひせん》の者河豚鉄砲といふは、あたれば即《すなは》ち命を失《うしな》ふとの意なるべし」
とあることによって、その意味がわかります。食用に供されるフグは、種類・部位・季節によって、それぞれの毒性が異なります。例えばトラフグの皮は食べられますが、マフグなどは皮が有毒であったり、珍重される精巣(シラコ)も、種類によって毒性のあるものがあります。しろうと料理でもっとも恐ろしいことは、フグはどれでも同じだと思って毒性のちがいを無視すること、皮や内臓を誤って食べてしまうことです。とりわけ肝臓(キモ)は、一匹で一〇人くらいの人を殺す毒量をもつものもあり、また、卵巣(マコ)は例外なく猛毒で、特に大型のマフグ一匹の肝臓と卵巣で三三人の人を殺すことができると言われるほどです。
テトロドトキシンを含む毒魚とは知りながら、「ふぐ食はぬ奴には見せな不二の山」、勇気を出して食べてしまえば、世の中にこんなうまいものがあったのか、食べぬ奴の気が知れぬ──と豪語したくもなる魅力。横井也有の俳文集『鶉衣』にも、
「鰒《ふぐ》とは先名《まづな》のふつゝかなり、いかに無比《むひ》の美味をそなへて、あやしき毒をもちたりけん、その味《あぢは》ひと毒の世《よ》にすぐれたれば、くふ人を無分別《むふんべつ》ともいひ、くわね人《ひと》を無分別ともいへり」
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