返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 正文

食物ことわざ事典109

时间: 2020-01-15    进入日语论坛
核心提示:武士は食わねど高楊枝あまりにも有名なことわざで、どなたもご存知の「上方いろはかるた」にも組み込まれています。武士は貧しい
(单词翻译:双击或拖选)
武士は食わねど高楊枝

あまりにも有名なことわざで、どなたもご存知の「上方いろはかるた」にも組み込まれています。武士は貧しい境遇にあっても、気位を高くもって、泰然としている。清貧に安んじて、じたばたしない。この場合は、食べなくても、食べたあとのようなふりをして空腹の様子を人に見せない──そんな素振り、心構えを言います。
東西九六枚の「いろはかるた」に武士が登場するのは、この一句だけで、「いろはかるた」が、町人のものだっただけにムリからぬ話です。このことわざ、高楊枝の|たか《ヽヽ》と語呂を合わせてでしょうか、「鷹《たか》は飢《う》えても穂《ほ》を摘《つ》まず」ということわざと組になって使われることがしばしばです。
ところで高楊枝の「高」は、高枕、高|鼾《いびき》、高下駄などのように高々と、あるいは十分にという内容がありますので、食事をしなくても、さも食事を済ませたように高々と楊枝をくわえて、ご満悦な顔をしているのでしょう。出典は『寝惚先生文集』で、原文は、
「昨夜ノ算用(勘定)立タズト言ヘドモ(払えないが)武士ハ食ハズモ高楊枝」
となっております。どうやらこれですと、開き直った遊び人のような武士だったようで、表面はお武家様などと立てられていても、つまるところは同じ弱い人間であることを、武士も町人も承知していたようです。そうなると、このことわざ、元はほんとうに腹が減っても高楊枝でいられた意志強固な、高潔な武士であったかどうか、いささか疑わしくなって来ます。『絵本いろは戒』の、
「武士は表を張り(形式を調えて)、貧乏にてもその顔をせず、勤《つとめ》を第一とする也」
という記述は、江戸後期のものですが、武家社会の屋台骨がおかしくなると、かえって建て前ばかりが強調され、やせ我慢の心構えまで説かれるようになったようです。
それはともかく、時代によって食事の作法も変化し、当節、食事のあとに楊枝を使う人は極めて少なくなりました。同じ食卓で、楊枝を使う人がいると気になるくらいです。使い方によれば、不潔な感じさえ与えかねません。しかし、武士はご飯を食べていなくても、ゆったりと楊枝を使って、食べたように構えていたというのですから、当時、楊枝を使うのは、現代よりも一般的であったのかも知れません。
詮索《せんさく》ついでに楊枝の歴史をひもとくと、楊枝で歯を掃除する習慣はインドで始まったと言われ、わが国には仏教と共に伝えられたらしく、平安時代には貴族やお坊さんの間で流行しました。当時の楊枝の長さは現在よりも長く、まるで木枯し紋次郎の使う楊枝のように一二〜一八センチほどもありました。やなぎ・くろもじ・もも・すぎ・たけなどで作られていました。これらの素材は噛むとよい香りがするので、邪気を払う効果があると信じられていました。
種類は総《ふさ》楊枝・平楊枝・山楊枝などがあり、総楊枝は、先を打ち砕いて、総のようになったもので、歯を磨くのに用いられました。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

[查看全部]  相关评论