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食物ことわざ事典132

时间: 2020-01-15    进入日语论坛
核心提示:一膳飯は食わぬもの 家を出て、再び帰らぬときに供するごはんは、ただ一膳にかぎるのが古くからの|ならわし《ヽヽヽヽ》で、今
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一膳飯は食わぬもの

 家を出て、再び帰らぬときに供するごはんは、ただ一膳にかぎるのが古くからの|ならわし《ヽヽヽヽ》で、今日でもお葬式の際、出棺に先立って会葬者に出す膳部は、ごはんを一膳に盛切りとして二杯重ねることを忌み嫌います。また、むすめが嫁入りのとき、実家を出る際にも、ごはんは一膳盛切りで、こうした|ならわし《ヽヽヽヽ》から、ふだんは一膳めしを食べることを忌む風《ふう》が残りました。また古くは、ふだん一膳めしを食べると継母《ままはは》にかかるなどとも言いました。同じ意味のことわざに「一膳もので不調法」があります。
このような|ならわし《ヽヽヽヽ》も都会地では徐々に薄れ、ごはんをお碗によそうときでも、一膳めしを忌むならわしが薄れたせいか、山盛りに|もる《ヽヽ》家が多くなったようです。こうしたもり方は、お酒を飲んだあととか、おもてなしの際には、見苦しいばかりか、食欲を減退させ、後味をわるくいたします。その点、懐石の一文字ごはんは、見た目にも美しく、健康な食欲を誘います。利休好み黒の真塗小丸椀《しんぬりこまるわん》の中央に、一文字によそわれた一杓子のごはん——ここにも茶の湯の美意識が生きています。
同じごはんをお碗に入れるにしても、|もる《ヽヽ》(盛る)と|よそう《ヽヽヽ》(装う)では、語感の上から、また字体の上からも分量にちがいがあるように感じられます。|もる《ヽヽ》といえば山盛りいっぱいを連想します。一方、|よそう《ヽヽヽ》のほうはどうかと言えば、お碗の容積八分めほどによそわれたように感じます。もちろん、これはそう思うだけのことで、古く「よそう」は�食器ニ物ヲ盛ル、飲食物ヲ分チ盛ル�(『大言海』)の意に用いられ、『平家物語』七、「猫間の事」の章に、「田舎《いなか》合子《ごうす》のきはめて大きに凹かりけるに、飯《はん》うづだかう|よそひ《ヽヽヽ》、御菜《ごさい》三種して、平茸の汁にて参らせたり」とあり、必ずしも前記のような使い分けはしていません。それはともかくとして、一見、おいしそうかなと思える分量をよそい入れなければなりません。
いろいろと料理を召し上がられたお客さまに、ごはんを差し上げるときは、この心入れを忘れずに、せいぜいごはん茶碗に五分めか六分めぐらいよそうのが親切と言えましょう。と言うのも、「一膳もので不調法」にならぬよう、なるべく少量でもお替りをしていただくように——との配慮からでもあります。ごはん茶碗に、山盛りにもりつけるのは、主として一杯かぎりの粗雑な食事法のときにする方法です。
よそう際には、一杓子でよそい切らずに、形を整える意味からも、二杓子めはごく軽くよそって、見た目に心地よい形に直しましょう。
また、召し上がる方も、お替りが欲しいときには、ごはん茶碗の底へ三粒ぐらい残して渡すのがむかしからの約束で、こうすればいちいちことばを添えなくても用が足りるわけです。
ごはんは十分だけれども、お茶が欲しいときには、ごはん粒を残さずに差し出せば事足ります。こうした日本料理のマナーを心得ておかれると、大事の席で恥をかかずにすみます。
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