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食物ことわざ事典155

时间: 2020-01-15    进入日语论坛
核心提示:雁を食うとも時を食え いかにうまいといわれるガンの肉でも、やはり、季節はずれのものはまずく、どうせ食べるなら、脂ののった
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雁を食うとも時を食え

 いかにうまいといわれるガンの肉でも、やはり、季節はずれのものはまずく、どうせ食べるなら、脂ののったしゅんのものを食べろ——という意。
このことわざは、主に茨城県地方で言われてきたものですが、『万葉集』巻の第二十に、この地方の出身者(信太《しだ》の郡—今の稲敷郡)、物部道足《もののべみちたり》の歌がのっております。
常陸さし行かむ雁もが我が恋を 記して附けて妹に知らせむ
むかしから茨城県地方は、北の国を目ざして帰るガンの道すじだったのでしょう。
ガンは夏、シベリア地方で過ごし、そこでヒナを育て、九月ごろ、日本に渡って来ます。そして、若草|萌《も》える春三月ごろになると、また再び北の国をさして帰って行きます。
日本に渡来するのは、真雁《まがん》・菱喰《ひしくい》(菱の実を好んで食べるところからこの名がついた)など、ごく少数で、広い湖や沼、または海面、ときには田に下りて休息します。そのとき、必ず一羽か二羽見張りをして、害敵の来襲に備えます。
番雁の面に風吹く蘆間かな 白雄
昼間はおもに静かな水上に休息していて、夕方になるとエサをあさりに出かけ、夜明けごろ元の場所へ帰って来ます。この朝夕の移動するときに、猟師に網や鉄砲でやられるわけです。近ごろは乱獲がたたって、ほとんど稀《まれ》にしかガンの姿を見かけることができず、雁行の美しさは広重の風景版画などで、わずかにその面影をしのぶしかありません。
むかしはツルに次ぐ貴重なものとして手厚い保護を受けたらしく、食用はごく一部の階級にかぎられ、一般にはゆきわたりませんでした。『料理物語』という古書には、「汁、ゆで鳥、煎《いり》鳥、かはいり、生かは、さしみ、なます、くしやき、せんば、さかびて、其外々」と、ガンの料理法が記されています。食用鳥としては、とくに味わいがすぐれ、自然の風味ではカモよりも微妙な点でまさっていると、尊ばれました。
しゅんはカモと同じく寒い季節の十一月から三月にかけてで、この時季には皮下にたっぷり脂肪が貯えられ、肉もやわらかく、鳥肉中随一のうまさです。こうしたガンも獲れたてよりいくぶん時間が経ったものがおいしく、このことわざも厳密にいえば、肉の熟成(死後硬直がすぎ、肉が次第にやわらかくなって風味を増してくる現象)を待って食べろということかも知れません。
概して魚でも鳥でも大形のものは、一定時間経過したほうがおいしく、小さいもの、魚でいえば、イワシとかアジとか、鳥ならツグミとかウズラ・スズメとかいうものは獲れたて、または締めたてでなくてはおいしくありません。大きいもの、魚ではブリとかマグロ、鳥ではカモとかキジの類は、海、山から得て半日、あるいは四、五日経過したときのほうが、かえって味がよい。ご参考までに、肉の熟成期間を種類別にあげますと、だいたい、鶏肉は五〜八時間、兎肉は四日、豚肉は七日、馬肉は七日、乳牛肉は十三日、和牛肉は十五日です。
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