食べてもみないで、いやと決めてしまうこと。すべて物事を試みないで、むやみに嫌うこと。子どもの偏食なども、多分に食わず嫌いの傾向があります。食べものや周囲の環境は、子どもの性格形成の重要なポイントになるものですから、おかあさま方の細かい配慮と、賢明な導きがたいせつです。特に育ちざかりの子を持つ親にとって、悩みのタネは食べものです。食べすぎたといってはオロオロし、食欲がないのがどうも心配と、気の安まるときがありません。
食べるわりに体重が標準以上出ないときは、寄生虫の疑いがありますので、検便を忘れませんように……。異常に大食いの子はひとりっ子に多いと知合いの小児科医に聞いたことがありますが、団地ぐらしで周《まわ》りと交際がなく、友だちと遊ばない子どもなどにもこの傾向があり、親と遊んでもつまらないから、絶えず口を動かしていないと物さびしい——ということになるのだそうで、子どものノイローゼのあらわれとのこと。つとめて外で遊ばせるようにしないと大食いも治らないし、偏《かたよ》った性格にもなります。
同じ兄弟なのに、兄のほうはヤセッポチ、弟のほうは発育が標準以上という五つと三つになる子をもった親を身近に知っていますが、おかあさんが食べもののせいにするのはいいとして、五歳から七歳くらいまでは第一伸長期といって、特に身長の増加がいちじるしく、体重はそのわりに増えません。この時期は概して食欲がなく外形がスンナリと見えるのが特徴です。
また、食事どきには全然ごはんを食べないのに、おやつのときはお菓子をペロリと平らげるといったぐあいに、食べ方にムラのある子がいますが、これなど、おかあさんの子どもに対する態度に問題があるようです。なんとか子どもに食べさせようと思って、つい子どもにおもねり、子ども中心の食生活になりがち。まさに「親《おや》の甘茶《あまちや》が毒《どく》になる」よい例で、食欲は子どもの最も基本的な生理要求なのですから、おかあさんはもう少しご自分の献立に自信をもって、食べるほうは子どもに任せるほうが賢明です。
子どもにおもねってばかりいますと、子どもはいつしか、太陽が自分の上にばかり照っている——というふうな自己中心的な性格になり、わがままな主張ばかりするようになります。親は子どもの教育者であるという自信と自覚をもって、子どもを導くことが必要です。
偏食を治すには、強制やおだてや叱《しか》るばかりが能ではありません。食べないからといって、むやみに叱ってばかりいると、どうしても反抗的になりがちで、ひねくれた子に育ちます。ある程度、食べ方は子どもに任せ、親のほうは食卓の雰囲気を明るくし、食欲を起させるようなムード作りを考えましょう。おかあさんのしかめっ面は第一の障害となります。子どもにとっておかあさんの一挙手一投足は、父親のそれ以上に関心の的《まと》です。理屈《りくつ》や叱言《こごと》で矯正しようとするよりは笑顔のほうが効果的です。
おかあさん、くれぐれも笑顔を忘れないでください。
食べるわりに体重が標準以上出ないときは、寄生虫の疑いがありますので、検便を忘れませんように……。異常に大食いの子はひとりっ子に多いと知合いの小児科医に聞いたことがありますが、団地ぐらしで周《まわ》りと交際がなく、友だちと遊ばない子どもなどにもこの傾向があり、親と遊んでもつまらないから、絶えず口を動かしていないと物さびしい——ということになるのだそうで、子どものノイローゼのあらわれとのこと。つとめて外で遊ばせるようにしないと大食いも治らないし、偏《かたよ》った性格にもなります。
同じ兄弟なのに、兄のほうはヤセッポチ、弟のほうは発育が標準以上という五つと三つになる子をもった親を身近に知っていますが、おかあさんが食べもののせいにするのはいいとして、五歳から七歳くらいまでは第一伸長期といって、特に身長の増加がいちじるしく、体重はそのわりに増えません。この時期は概して食欲がなく外形がスンナリと見えるのが特徴です。
また、食事どきには全然ごはんを食べないのに、おやつのときはお菓子をペロリと平らげるといったぐあいに、食べ方にムラのある子がいますが、これなど、おかあさんの子どもに対する態度に問題があるようです。なんとか子どもに食べさせようと思って、つい子どもにおもねり、子ども中心の食生活になりがち。まさに「親《おや》の甘茶《あまちや》が毒《どく》になる」よい例で、食欲は子どもの最も基本的な生理要求なのですから、おかあさんはもう少しご自分の献立に自信をもって、食べるほうは子どもに任せるほうが賢明です。
子どもにおもねってばかりいますと、子どもはいつしか、太陽が自分の上にばかり照っている——というふうな自己中心的な性格になり、わがままな主張ばかりするようになります。親は子どもの教育者であるという自信と自覚をもって、子どもを導くことが必要です。
偏食を治すには、強制やおだてや叱《しか》るばかりが能ではありません。食べないからといって、むやみに叱ってばかりいると、どうしても反抗的になりがちで、ひねくれた子に育ちます。ある程度、食べ方は子どもに任せ、親のほうは食卓の雰囲気を明るくし、食欲を起させるようなムード作りを考えましょう。おかあさんのしかめっ面は第一の障害となります。子どもにとっておかあさんの一挙手一投足は、父親のそれ以上に関心の的《まと》です。理屈《りくつ》や叱言《こごと》で矯正しようとするよりは笑顔のほうが効果的です。
おかあさん、くれぐれも笑顔を忘れないでください。