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食物ことわざ事典169

时间: 2020-01-15    进入日语论坛
核心提示:昆布に山椒 お茶を飲むのに、取り合わせのよいものの例。ふさわしいことの|たとえ《ヽヽヽ》に使われます。狂言『釣狐』に「愚
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昆布に山椒

 お茶を飲むのに、取り合わせのよいものの例。ふさわしいことの|たとえ《ヽヽヽ》に使われます。狂言『釣狐』に「愚僧が事なれば別に振舞ふ物もない、昆布に山椒、茶ばかり申さう……」と見えています。
この種の料理として知られているものに、「さんしょこぶ」があります。塩こぶを八分方煮つめたときに、こぶの一割のさんしょを加えたもので、花さんしょでも、実さんしょでもよく、いずれも軽くゆで、ザルに揚げてよく水切りしたものを用います。お茶うけはもちろん、酒のサカナとしても喜ばれます。
洛北、鞍馬の里の「木の芽煮」は戦後売り出されたものと聞きますが、この辺りはむかしから自生のさんしょの木の多いところで、このさんしょの芽、葉、実、あま皮をとり、こぶやしいたけとともに濃口しょうゆでじっくり煮つめたものです。煮つまった「木の芽煮」を栃《とち》の木で作った厚いまな板の上にあけ、両手に持った大きな包丁でトントンとみじん切りにします。さんしょの辛味と香りと、こぶの味がとけ合い、口の中がさっぱりして食がすすむ——と、今やなくてはならぬ京名物の一つになっています。
「昆布に山椒」の例でもおわかりのように、総じて、海の幸と野の幸、山の幸と里の幸とを取り合わせると、持ち味の不足を互いに補い合うからでしょうか、不思議なうま味が発揮されます。もちろん、このうま味も単に味わいのうえばかりでなく、口ざわり、歯ざわりの心地よさといった触味にかかわるものもあり、また、香りの相性も、うま味の欠かせぬ構成要素になっています。
考えて見れば、私たちが、ふだん、何気なく食べている料理の大半は「であいもの」の集成で、私たちの祖先がそれぞれの感覚器官のすべてを動員して、相性のよいもの、|であいもの《ヽヽヽヽヽ》を確かめ、残してくれたものを、食べているわけです。
人と人との和合にも相性があるように、料理もこの相性を無視しては、おいしいものはできません。「取り合わせ」「であい」も、つまりは、その相性を意味したものと言えましょう。
淡味と濃味の取り合わせ、口あたり、歯ざわりの硬軟のリズム、色どりのよさ、香りの相性……数え上げれば「であいもの」の構成要素は、さまざまにあります。たけのこにわかめ、大豆にこぶ、菜っ葉に揚げどうふ、ニシンにこぶ、アサリにわかめ、生ウニにわさび、ひじきに油揚げ、干しぜんまいに油揚げ、アユにたで酢、カツオにしょうが・にんにく、まつたけにすだち、サンマに大根おろし、生カキにポン酢、里芋に鶏肉・棒ダラ、カモにねぎ、スッポンにしょうが、山芋に麦めし、カニに二杯酢、ナマコに柚香酢《ゆこうず》、塩ダラに糸こぶ……であいものを数え上げたら、まだまだ数限りなくあります。
四季それぞれに取り合わされた相性の妙味を、今いちど見直し、味わい直し、うけつがれてきた日本料理のまことの味を、正しく後世に遺していきたいものです。
鮎なます藍より青き蓼酢《たです》かな 貞室
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