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食物ことわざ事典180

时间: 2020-01-15    进入日语论坛
核心提示:サンマが出るとあんまが引っ込む  あはれ 秋風よ 情あらば伝へてよ男ありて、今日のタ餉に ひとりさんまを食らひて 思ひに
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サンマが出るとあんまが引っ込む

  あはれ 秋風よ 情あらば伝へてよ
——男ありて、今日のタ餉に ひとりさんまを食らひて 思ひにふける、と。
あまりにも有名な佐藤春夫の「秋刀魚《さんま》の歌」。サンマといえば秋、秋といえばサンマを思い起こすほど、サンマは海からきた秋の味覚のシンボル。サザ、サイラ、サイリ、サイレ、サイロ、サヨリ、カド、マルカド、バンジョ……と、それぞれの土地で、さまざまに呼び名の変わるサンマ。
秋刀魚という文字をあててサンマと読ませるのも、その姿、形からの連想でしょうが、このほか、秋光魚、西刀魚、銅況魚などとも書き、いずれも刀に縁があり、さわやかな秋の季節感をしのばせてくれます。
サンマは冷たい水を好む魚で、オホーツク海から北海道、三陸、房総沖を回遊しています。秋になって暖流の勢いが弱まり、寒流が日本列島の南部にまで張り出してくると、この寒流にのり、産卵のため群れをなして南下してきます。体調も産卵期によって大きく左右され、八月の中旬、北海道の沖合いで獲《と》れるころは、脂ののりぐあいも悪く、やせ細っていますが、九月下旬から十月のはじめにかけて、三陸沖にさしかかるころともなると、餌を十分食べて体調も整い、脂肪もグンと増え「サンマが出るとあんまが引っ込む」ほど栄養価の高い魚になります。
牛肉にくらべ、ビタミンAが三倍、カルシウムが四倍、脂肪が一・五倍近くもあり、たんぱく質にも富み、血合肉にはB12が多量に含まれ、日本の女性に多い貧血症にはもってこいの魚で、出さかりには値段も安くなり、うまいので、庶民の間で健康食品として大いに歓迎されてきました。サンマが出回るころは、夏の疲れもようやく癒《い》えて、食欲も急激に盛んになり、スタミナ食のサンマを食べて元気百倍、もうあんまやお医者にかかる必要がなくなる——というわけでこんな|たとえ《ヽヽヽ》も生まれたのでしょう。
水揚げしたてのサンマは風味がよく、真っ赤に起こした炭火で、もうもうと煙を出しながら余分な脂肪や水分をとって焼く塩焼きの味は、サンマならではのうまさです。ワタ(内臓)もサンマの値打ち——といわれ、獲れたての鮮度のよいうち、ワタを除かずに焼く魚は、サンマとアユぐらいのものでしょう。
このように強火で塩焼きしても、サンマはいくぶんなま臭味が残るので、おろしたての大根をたっぷり添え、焼きたてのジュッというくらいの熱々を賞味しましょう。鮮度のよいものなら、塩焼きのほか、フライ、酢のもの、かば焼きなどにしても楽しめます。
魚屋に山と積みしは秋刀魚かな 迦葉
この句のように、むかしはサンマがたくさん獲れ、一塩にして遠方にまで送り出され、海に縁のない地方にも、秋を告げる魚として親しまれたものですが、ひところにくらべ、漁獲量も減り、値段の安い大衆魚とはいえなくなってきています。
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