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八墓村-第四章 四番目の犠牲者(1)

时间: 2022-06-06    进入日语论坛
核心提示:第四章 四番目の犠牲者私の身辺にはまたまた、しなければならぬことや、考えねばならぬ疑問のかずかずが降ってわいてきた。私は
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第四章 四番目の犠牲者
 
私の身辺にはまたまた、しなければならぬことや、考えねばならぬ疑問のかずかずが降ってわいてきた。
私はまず、秘密の抜け孔のありかを突き止めなければならぬ。また、小梅様と小竹様が、なぜ、深夜、ひとめをしのんで、その抜け孔へ入っていくのか、それも考えてみなければならないのだ。さらにまた、その抜け孔を利用して、この座敷へしのんでくるのが何者か、そしてまた、この座敷に、どのような目的があるのか、それらのことも調べなければならぬ。しかも、そういう仕事は、すべて、自分ひとりで、秘密のうちに運ばねばならないのだ。なぜならば、姉の春代でさえが、抜け孔の存在を知らないらしいのだから。
しかし、その夜の私は、心身ともに綿のように疲労していたうえに、小梅様と小竹様にのまされた薬がきいたのか、何をする気力も、何を考える意力もなくなっていた。小梅様と小竹様が、母屋のほうへ立ち去ると間もなく、私はまるで、死んだように眠りこけてしまった。
翌朝、眼が覚めたとき、私の頭はまだ重かった。睡眠剤が宵よいにはきかず、朝になってきいたと見えて、薄皮をかぶったように、薄白く頭が濁っていて、手脚が重く、全身がけだるかった。それに今日もまた、警官たちがやってくるであろうと思うと、ドス黒く、気がめいりこんでならなかった。
しかし、私は頭が重いからといって、全身がけだるいからといってボンヤリしてはいられないのだ。そうだ。この朝私は、何をおいてもしなければならぬことがあった。それは梅幸尼を訪問することなのだ。
梅幸尼は、私の身の上に関する、何かしら重大なことを知っているらしい。そのことが、こんどの事件を解決するうえに、役立つか立たぬかわからぬけれど、いまの私にとっては、それが唯一の希望であり、頼みの綱でもあった。警官たちが来ると、また、出そびれることになるかもしれぬ。そうだ、朝飯を食べたら、すぐに出かけることにしよう。
私が寝床からとび起きたところへ、姉の春代がやってきた。姉もまた、小梅様と小竹様の昨夜の、妙な招待をあやしんでいるにちがいない。私の顔を見ると、ほっとしたように、
「ああ、いま、お眼覚め? 御気分はいかがですか」
「ありがとう。御心配をかけてすみません。もう大丈夫ですよ」
「そう、それはよかった。でも、まだ顔色が悪いようですよ。あまりくよくよ考えないようにね」
「ええ、ありがとう。なに、おいおい慣れてくると思いますから、御心配くださらないように」
私は当分、昨夜のことは、姉にも黙っていようと思った。そうでなくとも、体の弱い姉を、これ以上驚かしては相済まぬ。
「伯母さまがたは、今朝どうしたのか、お寝坊なのよ。さきに、御飯をいただきましょうね」
姉とふたりで朝の食膳についたとき、私はバンカチのことを聞いてみた。まえにもいったように、バンカチとは、姥うばケ市いちと書くのがほんとうだそうだが、ふつうバンカチでとおっているので、私は以降、そう呼ぶことにする。
姉は不思議そうに、バンカチがどうかしたのかとききかえした。そこで私が手短かに、昨日のことを話してきかせると、姉は驚いたように眼を見はって、
「まあ、梅幸さんが……いったい、どんな話があるのでしょう」
「さあ、それはよくわからないのですが、この際、ぼくはどんなことでも、自分の身の上に関係のあることなら、きいておきたいと思うのです。警官たちが来ると、また出にくくなりますから、そのまえに出かけたいと思います」
「そう、それもいいけれど……変ねえ。梅幸さんが、どんなことを知っているのでしょう」
姉の声音には、浅からぬ不安のひびきがこもっていた。私はそこで、梅幸尼というひとはどういうひとなのかときいてみた。それに対する、姉のこたえというのは、だいたい、次のとおりであった。
梅幸尼がどうして尼になったのか知らぬが、この村のちゃんとした筋目のもので、姉が物心ついた時分からすでに尼であった。麻呂尾寺のお住持さまの長英さんなども、深く信頼している様子で、あれは女ながらも、よく修行をつんだものだとほめている。したがって同じ尼でも濃茶の尼の妙蓮のように、出来星の尼とちがって、村のひとたちからも尊敬されているのである。
「でも、その梅幸さんが、あなたにどのような話があるのかしら……」
姉の声音には、たゆとう危き懼ぐのひびきがあり、なんとなく、私をやりたくないらしかった。とはいえ、何事にもあれ、控え目な姉は、強いて私をひきとめはしなかったが。……ああ、あとから思えば、姉があのとき、無理にも私をとめてくれたら、あのような驚きと、恐怖を重ねなくともすんだであろうに。
それはさておき、私がうちを出たのは九時ごろのことであった。田治見家は東屋とよばれていることでもわかるとおり、村の東部によっているが、慶勝院のあるバンカチは、村の西はずれにあり、その間、およそ半里あまり。私はなるべく人に会いたくないので、裏山づたいに道をえらんだ。
今日は七月三日、梅雨はまだ明けないはずだが、珍しい上天気で、樹き々ぎの梢こずえでは小鳥の声がにぎやかだった。足下に長くのびた村をみると、田植えをおわったせまい田んぼに、早さ苗なえが青くそよいでいた。そして、道のいたるところに牛がごろごろ寝そべっている。
行くことおよそ半時間。足下に大きなお屋敷が見えてきた。それが西屋とよばれる野村家で、田治見家とは比較にならぬけれど、大きな土蔵や厩うまやが幾棟むねもならんでいるのが、ほかの家々とは段ちがいであった。この野村家の別棟の離れに、美也子は東京以来の老ろう婢ひとともに起居しているのである。そのへんから道は村へ入っていって、野村家の裏をとおることになる。
 
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