日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 横沟正史 » 八つ墓村 » 正文

八墓村-第四章 四番目の犠牲者(4)

时间: 2022-06-06    进入日语论坛
核心提示:ああ、そのことならば私もゆうべ考えたのだ。金田一耕助と同じように疑い、思いまどうたのだ。しかし、これで洪禅さん殺しのなぞ
(单词翻译:双击或拖选)

ああ、そのことならば私もゆうべ考えたのだ。金田一耕助と同じように疑い、思いまどうたのだ。しかし、これで洪禅さん殺しのなぞは解けたというものの、事件全体をくるんでいる、この怪しくもまがまがしいなぞの解決については一步も前進したわけではない。いやいや、恐ろしい無気味ななぞは、以前にもまして濃くなってきたのだ。

「ああ、ふむ、いや」

磯川警部も、のどにからまる痰を切るような音をさせると、

「すると、なんですかな、金田一さん、井川丑松が殺されたのも、東屋の主人が毒殺されたのも、それからここに殺されている梅幸尼が一服盛られたのも、みんな不幸なクジに当たったというんですか。つまり、丑松の代わりに吉蔵、東屋の主人の代わりに西屋の主人、梅幸尼の代わりに妙蓮が殺されてもよかったし、また殺されていたかもしれぬというんですか」

金田一耕助はしばらくだまって考えていたが、やがて暗い眼をしてうなずくと、

「そう、警部さん、あなたのおっしゃるとおりかもしれません。しかし……ひょっとすると、そうでないかもしれないのです」

「そうでないかもしれぬというと……?」

「この事件が、その表から考えられるように、迷信にこりかたまった、気ちがいめいた人間の犯行ならばあなたのおっしゃるとおりかもしれません。しかし……」

「しかし……? なに……?」

「つまり、それにしては、犯人のやりかたがあまり巧妙すぎるように思われてならんのです。狂信者の犯罪としては、どの事件もあまり微妙すぎる。そこには何か、もっと別の動機がありはしないか……」

「なるほど」

警部は一句一句に力をこめて、

「つまり、あなたの考えでは、表面、迷信による犯罪とみせかけて、その実、裏面にはもっと別の、それこそ犯人の真の目的としている、ほんとうの動機がありはしないかというんですね」

「そうです、そうです。それでなければ、ここがいかに迷信ぶかい八つ墓村でも、あまり事件がとっぴすぎますからね」

「しかし、それじゃ、犯人のほんとうの目的というのは……」

金田一耕助はもう一度、子細に表をながめていたが、やがて頭を左右にふると、

「わかりません。この表だけじゃ、まだなんとも判断の下しようがありませんね。それよりも……」

と、金田一耕助ははじめて、私たちのほうをふりかえって、

「森さん」

と呼んだ。

「はあ……」

美也子もさすがに強こわ張ばった顔をしていたが、それでも強しいて微笑をうかべると、

「何か御用でございますか」

「この手帳の文字ですがね。もう一度よく見てください。あんたはこの筆跡に心当たりがありませんか」

それは手帳型のポケット日記の一ページで、ふつうこの型の日記は一ページに、上から順に四日の日付が刷りこんであるものだが、この紙片は、上から三分の一ほどが鋏はさみで切りとったようになくなっていた。そして、残りの三分の二に見られる日付は、四月二十四日と五日である。

まえにあげた十の名前は、このページを横にして二十五日のところから書きはじめてあり、したがって、切りとられた四月二十三日と二十二日のところには、まだまだ呪われた名前が書きつづけられてあったのではあるまいか。文字は太い万年筆の書きなれた達筆だった。

「男文字ですわね」

「そう、ぼくもそう思いますね。だれか村の人に、そういう文字を書くひとはありませんか」

「さあ……」

美也子は美しく首をかしげて、

「あたしにはちょっと……村のかたの字はいっこうに不案内で……」

「辰弥さんあなたは……?」

私はむろん、言下に首を横にふった。

「ああ、そうですか。では、だれか、ほかのひとに見てもらいましょう」

金田一耕助は警部に紙片を返しかけたがふと思いなおして、

「ああ、そうそう、ついでにこの日付を調べておきましょう。警部さん、あなた、今年のポケット日記をお持ちでしたね。ちょっと見てください。四月二十五日は何曜日ですか」

警部のいった曜日と、引きちぎられた日記の曜日はぴったりと一致した。金田一耕助はにこにこしながら、

「すると、この一枚は、今年のポケット日記からちぎられたものだということになりますね。残念ながら、裏になにも書いていないので、今のところだれの日記だかわかりませんが、なに、いまに探し出せますよ。ああ、いいあんばいに久野先生がいらした」

轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG: