日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 横沟正史 » 八つ墓村 » 正文

八墓村-第六章 春代の激情(14)

时间: 2022-06-14    进入日语论坛
核心提示:狐の穴にてこうして寝不足の一夜を明かした私が、その翌朝、重い頭をかかえてぼんやりしているところへ、金田一耕助と磯川警部が
(单词翻译:双击或拖选)
 狐の穴にて

 

こうして寝不足の一夜を明かした私が、その翌朝、重い頭をかかえてぼんやりしているところへ、金田一耕助と磯川警部がやってきた。

「やあ、遅くなりました。お待ちになったでしょう」

金田一耕助はにこにこ笑っている。私はちょっと面食らったが、すぐ、昨日耕助から鍾乳洞狩りに誘われたことを思い出した。

「ああ、それじゃやっぱり行くんですか」

「ええ、やっぱり行くんですよ」

「でも、ぼくがいっしょに行ってもいいんですか。お邪魔じゃないんですか」

「なに、邪魔どころか、あなたが来てくださるとありがたいですよ。あなたがいちばん、洞窟の地理に詳しいようだから」

それがどういう意味なのか、私は相手の心を読もうとしたが、金田一耕助は相変わらず、無邪気な顔をして笑っている。磯川警部は万事この男にまかせきっているといわぬばかりの顔つきで、だまってそばにひかえていた。

「そうですか。それじゃお供しましょう。ちょっと待ってください。支度をしてきますから」

「ああ、ちょっと。警部さん、ついでにあのことを頼んだら……」

「ああ、そうそう、辰弥さん、いつかあんたが神戸で受け取った警告状ですがね、八つ墓村へ近寄ってはならぬという……」

「はあ」

「あの警告状をお持ちでしたら、ちょっと拝見したいんですがね」

私はだまって二人の顔を見くらべた。何かしら不安な思いがこみあげてくる。

「何か──また──あったんですか」

「ええ、まあ、それはいずれ話します。とにかく警部さんに見せてあげてください」

私はすぐ手文庫から、例の警告状を取り出してきた。警部と金田一耕助は、ていねいにそれを調べていたがやがてうなずきあいながら、

「やっぱり同じらしいですね」

金田一耕助がいった。警部がうなずいた。私は不安な思いにおののきながら、

「どうしたんです。何かその警告状について、手掛かりがあったんですか」

「いや、そういうわけじゃないが……」

と、磯川警部のいうところによると、

「実は昨日、Nの警察へ妙な投書が舞いこんでな。それが文体といい、紙の質といい、いつかあんたに聞いた警告状とよく似ていると思ったものだから……」

「で、どうなんです。似てるんですか」

私は思わずせきこんだ。ひょっとするとそのことから、警告状の筆者がわかるのではあるまいか。

「だいたい同じだと思いますね。むろん、文句はちがっているが、筆跡といい、紙の質といい、それがポタポタ、インキのにじんでいるところといい……」

「辰弥さん、このインキのにじんでいるところが曲くせ者ものなんですよ。これはわざとインキをにじませたんです。いや、インキのにじむような紙をえらんだんですね。これで筆跡鑑定が、非常にむずかしくなるんですよ」

「それで、投書にはどんなことが書いてあるんです。何かぼくに関係のあることでも……」

「そうですよ。辰弥さん」

金田一耕助は哀れむように、私の眼の中を見つめながら、

「そいつはあなたを告発してるんですよ。そうです。この警告状と同じような、はげしい、予言者めいた調子で、八つ墓村の犯人は田治見辰弥である。なぜ捕らえて処刑しないのか、というようなことが書いてあるんですよ」

私の心は鉛のように重くなる。

「それで差出人はわからないのですか」

「わかりません。しかし、この村のものだってことは確かですよ。八つ墓村の郵便局の消印が、ちゃんと押してありますからね」

「そうするとこの村に、私をおとしいれようとしている人物があるわけですね」

金田一耕助はうなずいた。

「ところでその投書ですが、私を犯人だとするのは、何か確かな根拠でもあるんですか」

「御安心なさい。それがなんにもないんですよ。ただ犯人は田治見辰弥であると、わめきたてているだけのことなんです。だから私は不思議なんですよ。ねえ、辰弥さん、この警告状や投書をよこしたやつは、けっして馬鹿じゃありませんよ。少なくとも筆跡をくらます方法を知っており、また筆跡をくらます必要があるほどの人物なんです。それほどの人間が、なんの根拠もあげずに、ただ田治見辰弥が犯人であるとわめいたところで、警察が動くかどうか知らぬはずがありません。とすればそいつはいったい、何をねらっているのか、あの投書からどのような効果を期待しているのか、それがわからないだけに、ぼくはなんだか不安でならないんです」

「すると投書のねらいは、ぼくを警察へあげさせるということではなく、もっとほかの目的があるというんですね」

「じゃないかと思うんです。それでなきゃ無意味であるばかりではなく、危険千万な話ですからね。だから危険を冒すには冒すだけの、効果を期待しているはずなのだが、それがなんだかわからない……」

私はなんだか心の底が、冷えきっていくような感じであった。

轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG: