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魔法博士-魔术的窍门

时间: 2021-12-09    进入日语论坛
核心提示:魔術の種 そのとき、黄金怪人が、三日月がたの黒い口を、キューッとまげて、きみの悪い声で笑いました。「ウヘヘヘヘ、小林団長
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魔術の種


 そのとき、黄金怪人が、三日月がたの黒い口を、キューッとまげて、きみの悪い声で笑いました。
「ウヘヘヘヘ……、小林団長、とうとう、つかまったね。わしは、きみのくるのを、いまかいまかと、待ちかまえていたんだよ。」
 小林君たち三少年は、黒覆面の男におしやられて、黄金怪人のこしかけている前の、黄金のテーブルのそばに立たされていました。三人は、ただ、恐ろしい怪人の顔を、見つめているばかりです。まだ、ものをいう力もありません。
「フフフフ……、驚いたか。わしは、かならず、約束をまもる。いつか、わしは名探偵明智小五郎を盗みだして、わしのすみかに閉じこめてみせると、約束した。また、そのてはじめに、明智探偵のだいじな助手の小林少年を、とりこにしてみせると約束した。その約束のはんぶんを、いま実行したのだ。小林君、きみはもう、わしのとりこになったのだよ。そして、このつぎは明智先生のばんだ。ウヘヘヘヘ……。」
 小林君は、まだ、なにもいいません。ただ、じっと、怪人のぶきみな顔を、にらみつけているばかりです。
「ところで、小林君、きみのポケットにB・Dバッジが、たくさんはいっているはずだね。それを、ここへだしてくれたまえ……。おい、この子のポケットを、さがすんだ。」と、うしろに立っていた黒覆面の部下に、命令しました。
 小林君は、じぶんで、ポケットから、三十個のB・Dバッジをつかみだして、黄金のテーブルの上に、ザラッと、なげだしました。いやだといっても、黒覆面に、とられるにきまっているからです。
「うん、よしよし、これがきみたち少年探偵団の目じるしだね。だれかにつれさられるとき、これを、ひとつひとつ、道に落としておいて、あとから、さがしにくる人の目じるしにしようというわけだね。フフフ……、どうだ、よく知っているだろう。じつは、わしも、B・Dバッジを、すこしばかり持っているのだよ。これを見たまえ。」
 黄金怪人は、そういって、どこからか、ひとにぎりのB・Dバッジをとりだし、それをテーブルの上に、バラバラと、こぼしました。たしかに、少年探偵団のバッジです。これは、いったい、どうしたというのでしょう。怪人がB・Dバッジを、こんなにたくさん持っているなんて、おもいもよらないことです。
「ウフフフフ……、ふしぎそうな顔をしているね。ほら、みたまえ、にせものじゃないよ。ちゃんと、裏に団員の名まえが、ほりつけてある。読んでみるよ。イ、ノ、ウ、エ、うん、井上だな。それから、こちらは、ノ、ロ、野呂だよ。ウフフフ……、どうして、このふたりのバッジが、わしの手に、はいったとおもうね。」
 怪人は、三日月がたの口を、へんなふうにゆがめて、さもたのしそうに笑いました。
「おい、あのふたりを、ここへ、ひっぱってくるんだ。」
 怪人は、黒覆面の部下に命じました。部下は、うなずいて、部屋の外へ出ていきましたが、まもなく、ふたりの少年をつれて、はいってきました。
 それを見ると、小林少年は、おもわず、「あっ。」と声をたてました。じつにふしぎなことが、おこったからです。
 はいってきた、ふたりの少年も、びっくりして立ちすくんでいます。みんな、じぶんの目をうたがっているのです。こんな、ふしぎなことが、あるものでしょうか。夢を見ているのではないでしょうか。
 はいってきた、ふたりの少年というのは、井上君とノロちゃんだったのです。そして、こちらに小林君とならんでいるのも、井上君とノロちゃんです。井上君が、ふたりになったのです。ノロちゃんも、ふたりになったのです。
 いま、はいってきたほうの井上君が、おずおずと、もうひとりのじぶんに近づいてきました。そのあとから、ノロちゃんも、井上君のうしろにかくれるようにして、こちらへ、やってきます。
 井上君と井上君が、一メートルの近さで、おたがいに向きあって立ちました。じっと、顔を見あわせています。
 井上君は、いま、じぶんは、大きな鏡の前に、立っているのではないかと思いました。じぶんの前に立っているやつは、顔も服も、なにからなにまで、じぶんとそっくりなのです。鏡の前に立ったのと、まったくおなじです。
 ノロちゃんも、もうひとりのノロちゃんの前に、立っていました。
「きみ、いったい、だれなの? ぼく、ふたごの兄弟なんて、ないんだがなあ。きみとぼくと、まるで、ふたごみたいだねえ。」
 はいってきたほうのノロちゃんが、たまげたような顔をして、そんなことを、つぶやきました。すると、怪人は、また、笑いだして、
「ウフフフ……、びっくりしたかい? こんなに、よくにた子どもを、ふたりも、さがしだすのは、よういなことじゃなかったよ。どちらかが、にせものなんだ。え、小林君、きみは、いったい、どちらがほんもので、どちらが、にせものだとおもうね。」
と、いたずらっぽく、たずねるのでした。
「わかった! いままで、ぼくと、いっしょにいた、このふたりは、にせものです。それが、きみの魔法の種だったのだ。」
 小林君が、ほおをまっかにして叫びました。魔法博士のトリックが、わかってきたように、思ったのです。
「ウフフフ……、さすがは、明智探偵の弟子だ。きみは、頭のはたらきが、すばやいね。わしは、数十人の部下に、東京じゅうを歩きまわらせて、このふたりをさがしだした。だが、いくら、にているといっても、ソックリとはいかない。それで、わしは、このふたりに、とくいの化粧をしてやった。つまり変装術だね。ちょっと見たのでは、わからないが、このふたりの顔には、わしの変装術が、ほどこしてある。そのおかげで、きみたちを、だますことができたんだよ。」
「じゃあ、ほんとうの井上君とノロちゃんは、ここに閉じこめられていたのですね。だから、イノウエとノロとほったB・Dバッジを、きみが持っていたんだ。そうでしょう?」
 小林少年が、息をはずませて、いいました。
「そのとおり。だが、きみはまだ、ほんとうのことを知らない。井上とノロは、わしが移動映画というもので、神社の森の中へおびきよせた。すると、その森の中に、黒覆面のわしの部下がふたり待ちかまえていて、井上とノロをしばりあげ、自動車にのせて、ここへはこんだのだ。このわしのすみかは、ひじょうに広くて、入口も、ほうぼうにある。さっきの地下道ばかりが、入口ではない。
 その森の中で、かくとうしているときに、井上がポケットから、銀貨のようなものをつかみだして、地面にばらまいた。わしはそれを見のがさなかった。拾ってしらべてみると、話にきいていたB・Dバッジだった。それならきっと、森へくるまでの地面にも落としてあるだろうとおもったので、あとで部下のものにしらべさせた。すると、わしのおもったとおりに落ちていた。それを、みんな拾わせて、ここへ、集めておいたのだ。」
「だから、井上君とノロちゃんが、ゆくえ不明になったことが、わからなかったのですね。もしバッジが、もとの地面に落ちていたら、少年探偵団員のだれかが、みつけたはずですからね。……しかし、きみは、いったい、ぼくのバッジまで取りあげて、それをどうするつもりです。バッジを種に、なにか、もくろむのじゃありませんか。」
 小林君が、怪人の顔を、にらみつけてたずねました。
「ウフフフ……、えらい! さすがは、小林君だ。きみはもう、そこまで気がついたのか。うん、むろん、もくろんでいるよ。これを種にして、明智探偵を、おびきよせるのだ。三人の名をほりつけた、このバッジを、道に落としておけば、少年探偵団の子どもが、いつかは、みつける。そうすれば明智探偵の耳に、それがはいる。小林君はじめ、井上、ノロの三人が、どこかに、とらわれていることがわかる。だいじな小林君のことだ。明智自身が、でかけてくるよ。そこで、こっちは、うまいトリックを考えておいて、明智をつかまえてしまうんだ。ウフフフ……、なんと、うまい考えじゃないか。そうして、日本一の名探偵と、名助手を、とりこにしてしまうんだ。わしはどろぼうだが、人間を盗むのは、これがはじめてだ。ウヘヘヘヘ……、わしは、こんなたのしいおもいをしたことは、いままでに、一度もないくらいだよ。ウヘヘヘ……。」
 黄金怪人は、まるで、気でもくるったように、ぶきみな口を、パクパクさせて、笑いつづけるのでした。

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