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赤土へくる子供たち(3)

时间: 2022-09-13    进入日语论坛
核心提示:三「おい、けんかは、およしよ。」と、信(しん)一が、いいました。「いじわるをするから、けんかになるんだ。」と、みんなが小山
(单词翻译:双击或拖选)
 


「おい、けんかは、およしよ。」と、(しん)一が、いいました。
「いじわるをするから、けんかになるんだ。」と、みんなが小山(こやま)(かお)()ました。
「ぼくのござだもの、かってじゃないか。」と、小山(こやま)は、(かお)(あか)くしながらいいました。
「そのかわり、べいをやったろう。」
「こんなもの、ほしくはないよ。」と、小山(こやま)は、一つの()()っていたべいを、なげすてました。
(きゅう)勉強(べんきょう)するなんて、いわなくていいね。」と、(たけ)ちゃんが、いいました。
勉強(べんきょう)のことなんかいうのは、てんとり(むし)のいうことだ。」
「いらんおせわだよ、だれかみたいに、ランドセルなんか、もらわないからいいよ。」
「なんだと。」
 (たけ)ちゃんは、はずかしめられたので、小山(こやま)のござをめりめりと()きさきました。
「やあい、いいきみだ。」と、(ゆう)ちゃんが、()をたたきました
 小山(こやま)は、しくしくと()いて、かえりかけました。
「いいか、おぼえておれ。」と、小山(こやま)は、()きながら、こちらをふりかえりました。
「いいとも、あそんでなんかやらないから。」と、(ぜん)ちゃんが、(こた)えました。
(いし)をなげてやろうか。」と、(たけ)ちゃんが、(あし)もとの(いし)をひろいました。
「およしよ。」と、(しん)ちゃんがとめました。
 (あに)のいじめられたのを()ると、かね()さんが(はし)ってきました。
「なんで、みんなして(にい)さんをいじめるの。」
「なまいきだからさ。」
「かしたござをかえしておくれ。」
「そこにあるの()っておゆきよ。」
「こんなやぶれたのでないのをかえしてよ。あす学校(がっこう)へいったら、先生(せんせい)にいうから。」
「いくらでもおいいよ。」と、(たけ)ちゃんが、おこって、たたきにかかると、かね()さんは、()げていきました。
「けんかなんかして、つまらないなあ。」と、(ぜん)ちゃんが、ポケットからボールをだして、(そら)()かって()()げました。
「ボールをしようか。」
 そんなことをいっているところへ、鳥打帽(とりうちぼう)をかぶって、(あし)にゲートルをまいた(おとこ)が、ステッキをついて、(はら)っぱをみんなのいる(ほう)へ、(ある)いてきました。
「あっ、いつかきた(かみ)しばいのおじさんじゃあない?」
「そうだ、おじさんだ。」
「おじさあん。」と、みんなが、さけびました。
「おうい。」と、おじさんが、(わら)いました。
「どうしたの、おじさん、しばらくこなかったね。」
「ああ、商売(しょうばい)がえをして、このごろは、お(はなし)をして学校(がっこう)をまわっているのだ。」と、おじさんは(くさ)のはえたところへ、こしをおろしました。
「なにか、おもしろいお(はなし)はないか。」と、おじさんが、みんなにききました。
「おもしろい(はなし)って、どんな(はなし)?」と、(しん)ちゃんが、いいました。
「なんでも、(きみ)たちが()(はなし)さ。」
「おじさん、してあげようか。」と、(ぜん)ちゃんが、いいました。
 (とも)だちが、みんな(ぜん)ちゃんの(かお)()ました。
「きのう、ぼくプールへいったんだよ。そして、(およ)いでいると、どこかの()が、(ちい)さな(おとうと)(いもうと)をつれてきたのさ。そして、うきぶくろにつかまって、(およ)ぎなさいといったのだよ。けれど、その(ちい)さな(おとうと)(いもうと)(みず)にはいるのが、はじめてとみえて、おそろしがってはいらないのだ。
 しかたがなく(にい)さんひとりプールへ(はい)って(およ)いだのさ。そうすると、(ちい)さな(おとうと)(いもうと)が、おせんべいをたべながら、(にい)さんの(およ)いでいく(ほう)へついて、プールの(きし)をぐるぐるまわっているのさ。ぼく、これを()て、おかしくてしようがなかった。だって、おせんべいをたべながらついて(はし)るんだぜ。」
「は、は、は。」と、おじさんが、(わら)いました。おじさんが、おかしそうに(わら)ったので、みんなが、いっしょに(わら)いました。
「なるほどな。」と、おじさんがいいました。
「さあ、こんど、おじさんの(ばん)だ。」
「おれは、こないだ、(きた)(ほう)旅行(りょこう)をしてきたが、いなかの()は、みんな非常時(ひじょうじ)なのでよくはたらいているぞ。学校(がっこう)からかえると、(やま)へいって、たき()をせおってくるものや、(はたけ)()てくわつみの()だすけをするものや、また、くわの()のはいったざるをかかえたり、せおったりして、(いえ)へはこんだりする。そうかと(おも)うと子守(こもり)をしながら(ほん)()んでいるものもいる。(まち)子供(こども)たちのように、あそんでばかりいないよ。」
「ひどいな、おじさん、ぼくたちだって(おや)のおてつだいをしているものが、いるんだぜ。」
「そうか、それは、感心(かんしん)なこった。」
「まだ、おもしろい(はなし)はないの。」
「それから樺太(からふと)までいったよ。」
樺太(からふと)? たいへん(さむ)いところまでいったんだね。」と、子供(こども)たちは、あの(きた)のはしにつき()て、(あお)(うみ)(いろ)にとりまかれた、ほそ(なが)(しま)(おも)()しました。
「ツンドラ地帯(ちたい)って、沼地(ぬまち)みたいな、こけばかりはえているところがある。そこへ()がつくと、なかなかきえない。何年(なんねん)ということなく、(りん)()のようなのが(した)からもえ()がる。
 また、樺太(からふと)には、人間(にんげん)()のはいらない(おお)きな(もり)(はやし)がある。それに()がつくと、それこそたいへんだ。どこまでもえるか、わからないからな。そんなとき、どうするかというに、()のもえていく(なん)十メートルか(さき)(はやし)()りはらって、あきちをつくるのだ。そして、火事(かじ)のある(もり)片方(かたほう)のはしへ()をつけるのだ。すると、あちらからもえてくる()と、こちらからもえていく()とだんだん(ちか)づいて、どこかで()あうだろう。そのときは、どうだと(おも)う。ドーンという(おお)きな(おと)がして、()のはしらが(そら)()つのだ。そして、それで()がきえてしまうのだ。なぜって、両方(りょうほう)からの()で、空気(くうき)があつくなって、まん(なか)空気(くうき)がなくなるからだ。」
「ほんとにおもしろい(はなし)だな。おじさんは、その火事(かじ)()たの?」
「いや、きいた(はなし)さ。おじさんが()たのは、ある(むら)で、(うま)出征(しゅっせい)するので、(えき)にりっぱなアーチが()ち、小学生(しょうがくせい)が、()に、()に、はたをふりながら、見送(みおく)りにいくのだった。どこも、非常時(ひじょうじ)で、緊張(きんちょう)しているぞ。」

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