うと、大人になると走るきかいがないからだそうです。また走
るために努力をつづけるということは、めったにないといい
ます。だから、今、走るチャンスがあるときにこの楽しさを、め
いっぱい味わっておこうともいいます。
夏休みに入るとわが家では、マラソン大会にむけての練習
が冬まで続きます。
私は上のお兄ちゃん、お姉ちゃんが毎日練習しているのを
小さいころからみていました。「ごめんね、これは2人だけ
の大切な時間なの。少しだけがまんして。」といって、絶対に
つれていってはくれませんでした。
まちにまった私の練習の番。それはとても楽しく、母が私だ
けにくれる時間です。走りながら、木をみてごらんとか、歌を
心で歌ってごらんとかいろいろなことを教えてくれました。
走れば走るほど体が軽くなることも知りました。ただ毎日つ
づけるということは、とても大変でした。五年生の時は、やめ
たくなることがとくにありました。友達と遊んでみたくなっ
たり、部活の練習のあとは、くたくたでやりたくない日もあり
ました。
でも母は、( 私もこの練習のために時間をつくってるの。お
たがいがんばろう)と、背中をおしてくれました。夜ねる時も、
( 明日の練習楽しみだな~)と、うれしそうにいいます。私の事
なのにいっしょに楽しんでくれていました。「どうして?な
にが楽しいの? 」と、聞くと、私のがんばる姿は、母の元気の
もとになるらしいのです。なんだかよくわかりませんが、とて
もうれしかったです。
おかげで、私は三年生の時以外学校のマラソン大会で一位
をとり続けることができました。でも、それよりも一番うれ
しかったのは、母が「がんばれー」って、いつも応えんしてく
れたことです。走り終わった後も、必ず空を見上げてごらんと
いってくれました。
二人でみる空は、とてもきれいでした。どこまでも広がる青
い空、きれいな星いっぱいの空、大好きな、母のとなりでみた
空は、私の心をスッーとさせてくれました。
きっと、私は、母のささえがなかったら、今まで続けられな
かったでしょう。
苦しくて、つらい時もあったけど、がんばってよかったで
す。がんばったからこそ、こんなに空のきれいさも、支えてく
れる人のありがたさ、そしてすきなだけ走れる健康のありが
たさも感じることができました。
すべては、母が教えてくれたことです。
( ママありがとう。ママが伝えようとしてくれたことはちゃん
と私の胸に届いたよ)
そして今年は六年目の夏になります。
私にはどんな空がまってるか楽しみです。
六年生最後の夏、走れることに感謝して、めいっぱい、楽し
みたいと思います。