地球岬（ちきゆうみさき）

 地球岬（ちきゆうみさき） （北海道室蘭市）

　　 北海道から地球が一望できる場所!?
 

　朝日新聞社主催の「北海道の自然一〇〇選」で第一位になったという、素晴らしい景観。北海道室蘭市・絵え鞆とも半島の最南端にある「地球岬」だ。

　この岬は、太平洋に向かって直角に突出した美しい形状で、新第三紀の安山岩や集しゆう塊かい岩が露出した、高さ約一〇〇メートルの断崖に囲まれている。

　この断崖絶壁が、約一三キロもつづいているので、その壮大な景色を受け、地球規模のスケールの大きいところからの命名かとも思うところだが、実際には地球のように丸かったり青かったりするわけではない。

　調べてみると、この地名の起源と地球そのものの意味は、まったく関係がないらしい。

　この地域の古地図によると、この半島には「ホロ・チケウエ（チケップ）」と、「ホン・チケウエ」という二つの岬があった。アイヌ語で、その「ホロ・ホン」は「大きい・小さい」という意味で、「チケウエ」は「チ・ケ・プ」が訛った「岬」という意味だ。

　つまり、「大きい岬」に「小さい岬」という意味だったものが、「チケウエ」のほうが残って、「チケウエ→チケウェ→チキュウェ→チキュウ」と転訛したようだ。

　そこに、「地球」という字があてられて、地球岬というグローバルな名前ができあがったというわけだ。