刈込湖(かりこみこ) (栃木県日光市)
勝道上人が毒蛇を退治したという湖
南側に位置する標高一九四五メートルの三みつ岳だけから流れ出た溶岩流が、沢をせき止めて形成したのが刈込湖だ。
ところが、せき止めてできた湖のはずなのに、どこにも水が流れ出る沢がないのだ。
それは、この湖が東側に並んでいる切きり込こみ湖こと六メートルほどの水路でつながっており、水量のバランスを保っているからである。

それは、この湖が東側に並んでいる切きり込こみ湖こと六メートルほどの水路でつながっており、水量のバランスを保っているからである。

湖の長径は、刈込湖が六〇〇メートル、切込湖が四〇〇メートルで、水深はそろって一五メートルほどだ。
刈込湖は遠景に原生林を抱え、湖畔にはヤナギ林と砂浜も広がり、水遊びは無理でも、散策や湯元温泉からのハイキング途中の息抜きにちょうどよい。一方の切込湖のほうは周囲に原生林が広がっていて、道も整備されていないため、近づけない。
この原生林があったせいだろうか、かつて湖の近くには毒蛇が生息しており、恐れられていた。その蛇を日光の勝しよう道どう上人が退治して、安全な湖になったという。
その出来事があってから、それまで狩かり籠ごめ湖こと呼ばれていた名前が、刈込湖に変わった。
蛇は湖に刈り込めた、というところからの命名という。