宍道湖(しんじこ) (島根県)
大国主命たちが猪狩りをした道
そもそも、この「宍道」という地名の由来は、『出雲いずもの国くに風ふ土ど記き』によれば、以下のとおりとなっている。
「所造天下大神命(アメノシタツクラシシオホカミノミコト)」「大穴持命(オホナモチノミコト)」「大国主命(オホクニヌシノミコト)」が狩りをされたとき、追いかけられた猪いのししの形がこの郷の南の山に二つある。また、その猪を追いかけた犬の形もある。その形はどれも石になっていて、猪と犬とは見分けがつかないように同じ石である。それが現在でもそのままにある……。
(現代語訳・加藤義成氏)
以上のことから、「猪の像のある道」という意味で、宍道というわけだが、猪のことを「宍」というのは、この字に獣肉の意味があったからといわれている。大国主命たちが、「猪狩りを楽しんだ道」ということから名付けられた地名なのである。
現在、この地は宍道町と呼ばれているが、その昔、奈良期から平安、鎌倉期は宍道郷とされていた。
その後、江戸期から一八八九(明治二十二)年には宍道村となり、約四〇〇石の規模で栄えていた。
その後、江戸期から一八八九(明治二十二)年には宍道村となり、約四〇〇石の規模で栄えていた。
さらに、明治二十二年には意お宇う郡宍道村、一八九六(明治二十九)年には八や束つか郡宍道村となった。
なお、「宍道湖」という呼称が決定するのは、明治時代に入ってからのことであった。