A:『おくりびと』という映画は第81回アカデミー賞外国語映画上を受賞しましたね。
B:すごいですね。映画の中ではよく葬式の場面がありますが日本のお葬式は仏式ですか。
A:日本のお葬式には仏式・神式・キリスト教式などがあり、昨今では無宗教の人前式も行われています。しかし、約90%が仏式葬儀と言われています。ほとんどの日本人は特定の宗派・お寺と関係を結んでいます。逝去後はお葬式を執り行い、火葬し、骨を骨壷に収めて、先祖代々の墓地に埋葬します。遺族は死者の位牌を各家庭におかれたお仏壇に納め、お供え、献花、お祈りおします。
B:そうですか。もちろんお葬式の参列者は黒色の服装で哀悼のお意を表しますよね。
A:ええ。数珠も用意しておくとよいです。式の参列者が遺族にお渡しする心づけをお香典と言います。包む金額は「4・9を除いた奇数」がマナーで、相場は5千円から1万円です。包む紙幣は新札ではなく古い紙幣を使います。
B:告別式とお通夜という言葉をよく聞きますが、それぞれどんなことですか。
A:葬儀当日は、参列者が葬儀会場へ足を運び、故人のご家族にお悔やみの言葉を述べ、お坊さんの読経や参列者のお焼香が行われ、故人に別れを告げます。その後、出棺となります。葬儀の前日の夜にはお通夜が開かれ、親戚やごく近しい人々が集まり、日を消さないように夜明しをします。本来、通夜は普段の服装で行く者とされていましたが、最近は、告別式に行けない人が、通夜に弔問する場合が増えてきており、喪服で弔問する人が増えてきました。また、開始時刻より早く到着することも「このときを待っていた」という印象になり、好ましくありません。
B:そうなんですか。お葬式の日を決めるのには、やはり奇数の日がいいですか。
A:いや、それより友引の日はお葬式を行わない習慣があります。火葬場も「友引」の日は休業します。また、葬式や火葬場から帰ってくると、玄関先で身体に塩をふって清めるという習慣も有ります。
B:遺族は葬式やお通夜の他にどんなことをしますか。
A:近親者が死ぬと遺族は死後49日間は喪中と言って心身を清浄に保ちます。その後も一周忌、三回忌、七回忌など定期的に親族が集まって故人を追悼します。