B:そうですね。日本も同じですか。
A:ええ。よい就職のためには一流大学へ、一流大学へ入るには有名高校へ、そして有名中学へと、厳しい受験戦争を勝ち抜くために、半分以上の小中学生は学習塾に通っていると思いますよ。その一人当たりの年間の塾の費用は25万円前後だと思います。
B:費用は結構高いですね。家が裕福なほど進学や就職に有利で、豊かでない家庭の子は人生の出発点でハンディを負ってしまう冷たい現実ですね。
A:そういえるかもしれませんね。全国の塾の数は、個人の経営している小規模の塾から、全国に支部を持つマンモス塾まで10万とも20万とも言われています。塾単体で年間売上高が100億円を超えている塾は14社もあるらしいですよ。
B:巨額の学習塾産業の売り上げですね。ところで、どうしてみんな塾に通いますか。学校の勉強だけでは足りないんですか。
A:確かに学力の底上げは学校教育の仕事ですが、公立学校のゆとり教育への不安感がありますし、入学試験の多くは基礎学力プラスの部分で争われることもありますし、学力や受験技術で差をつけたれたくないからだと思います。
B:なるほど。塾ではどんな勉強をしますか。
A:ほとんどの塾は主要5教科、国語、数学、理科、社会、英語の学習に特化しています。塾ではこれらの主要科目に関しての弱点補強や高度な学習などに力を入れています。また、保護者の要望に答え、通常の学習よりも中学入試、高校入試での合格を主な目的とする大手進学塾も多くその合格実績を競っています。
B:ふーん。でも少子化と言われている日本では、塾に通っている学生は減少していくのではないですか。
A:確かに近年では、少子化、中高一貫校の増加により塾に通っている学生が減少していますが、一方で通塾者の低年齢化と、家計からの学習塾への出費額の上昇により、市場の拡大傾向が見たれています。
B:そうですか。日本の親たちも学生たちも大変ですね。