じっと見つめていました
好好看着
(吉四六さんのとんち話)
(吉四六的故事)
むかしむかし、吉四六さんと言う、とてもゆかいな人がいました。
很久以前,有一个非常快活的男子,他名字叫“吉四六”。
その吉四六さんが、まだ子どもの頃のお話です。
这是吉四六小时候发生的故事。
ある秋の事。
是秋天的一天,
家の人はみんな仕事に出かけるので、吉四六さんが一人で留守番をする事になりました。
家里的人都出门去了,只留下吉四六一个人看家。
出かける前に、お父さんが言いました。
父亲出门前对他这样说:
「吉四六や、カキがもう食べられる。
“吉四六啊,家里的柿子已经熟了,可以吃了,
明日木から落とすから、今日は気をつけて見ていてくれ」
明天我们就把柿子摘下,今天你在家里替我好好看着哦!”
「はい。ちゃんと見ています」
“是,我会好好地看着”
吉四六さんは、元気な声で返事をしました。
吉四六大声地回答父亲。
でも、食べられるカキがいっぱいあるのに、黙って見ている吉四六さんではありません。
但是,能吃的柿子有很多很多,吉四六并没有沉默地看着。
お父さんたちの姿が見えなくなると、さっそく村の中を走り回りました。
当看不到父亲的身影的时候,吉四六飞快地在村子里来回跑动,
「おーい、家のカキがもう食べられるぞ。みんな食べに来い」
大声地喊着:“喂—我家的柿子能吃了,大家快来吃啊!”
これを聞いた村の子どもたちは、大喜びで吉四六さんの家にやって来ました。
村里的孩子们听到了,非常高兴,都纷纷来到吉四六的家里边。
そして、長い棒でカキを落とすと、みんなでお腹一杯食べてしまったのです。
于是,拿着长棒子将柿子弄下来,大伙们都吃的饱饱的。
さて、夕方になってお父さんが家に戻ってくると、吉四六さんは柿の木の下に座っていました。
那么,傍晚父亲回来的时候,吉四六正在柿子树下面坐着。
「お前、一日中そうやっていたのか?」
“你一整天都是这样做的吗?”
「はい。だって、気をつけて見ていろと言うから、ジッと柿の木を見ていたんです」
“是的,你不是让我好好看着吗,所以我一直在看着柿子树。”
「そうか。偉いぞ」
“哎呀,你真了不起啊!”
感心したお父さんが、ふと柿の木を見上げて見ると、カキの実がずいぶんと減っています。
非常感动的父亲,不经意间往柿子树上看了下,发现柿子少了很多耶!
「おや? カキの実がずいぶん減っているな。これは、誰かが取って行ったに違いない。
“咦,柿子怎么少了这么多啊,这肯定是谁摘走了。
おい吉四六、これはどうした事だ?」
喂,喂,吉四六,这究竟是怎么回事?”
すると吉四六さんは、平気な顔で言いました。
于是吉四六,摆着一副满不在乎的表情,这样说:
「はい、村の子どもたちが次々と来て、棒を使ってカキの実をもいでいきました。
“是的,是村子里的孩子们相继来,用棒子将柿子摘下的,
私は言われた通り、気をつけて見ていたから間違いありません」
我按照你说的那样,好好看着的柿子树,没错吧!”
「とほほ。???カキ泥棒が来ないよう、気をつけて見ていろと言ったのに」
“哎……我是为了不让小偷来偷柿子,才让你好好看着的。”
お父さんはそう言って、ガックリと肩を落としました。
父亲那样说,无奈地垂下了肩膀……。