錦絵から出て来た女の人
画皮
むかしむかし、あるところに、貧乏なおばあさんと息子が住んでいました。
好久以前,有一个所在,贫穷的老婆婆和他的儿住一起。
息子はやさしいおばあさんに頼り切って、自分はその日に飲む酒代分しか働きません。
他儿没什么碌用,就靠他屋婆,每天就是事做到刚好够吃酒那二个铜钱就放手。
そのおばあさんが、ぽっくり死んでしまったのです。
但是,有一天老婆婆突然走了。
息子はおばあさんに頼り切っていたので、自分では食事の用意も洗濯も掃除も何一つまともに出来ません。
他儿是什么都靠到他屋婆,像是饭啊,洗衣服啊,一个都作不来。
お嫁さんをもらおうと思っても、息子は貧乏なので誰もお嫁に来てくれません。
想找个堂客,问题是太穷了那个都不愿意过来。
息子は一人、不自由でさみしい生活を送っていました。
他儿一个人,过的也不是怎么的畅心愉快。
ある日の事、息子は仕事に行った先の家の庭で、きれいな女の人を描いた錦絵(にしきえ)を拾いました。
那是有一天,他儿从做事地方的庭院,捡到一张画的长得好乖的女的的锦绘。
錦絵とは、当時人気のあった色鮮やかな絵の事です。
锦绘就是当时鲜有人气色彩绮丽的画绘。
一人暮らしでさみしかった息子は、その錦絵を家の壁にはると、まるで生きている人間に話しかける様に、その日の出来事などを錦絵の女の人に話して聞かせました。
一个人住身心寂寥的他屋儿,把画往壁上一挂,宛如同活人讲话一样,把那一天发生的事都跟画中的长得好乖的女的讲起听。
それからしばらくした、ある日の事。
那后面过的又没得好久,那一日。
息子が仕事を終えて家に帰って来ると、いつもは汚い家がきれいに掃除されていました。
他屋儿做完事一归屋,一直都是乌漆嘛黑的屋子被捡拾的干干净净。
それだけではなく、囲炉裏(いろり)にはちゃんと火がついていて、温かい食事の仕度も出来ているのです。
不止如此,围炉下面也发好火,滚烫的吃的东西也被准备好了。
「はて? 誰がしてくれたんだろう?」
啊,这是那个做的?
息子は不思議に思いながらも食事を食べると、いつもの様に壁のにしき絵に語りかけました。
他屋儿脑壳虽是没想清白,但是还是把饭吃了同往日一样对起挂到墙上的画讲起话了。
「お前は、いつ見てもきれいだな。
你是怎么看都怎么好看。
今日な、誰がやったかは知らないが、家の中がきれいに掃除されていて、おまけにおいしい晩飯が用意されていたんだ。
今天虽然讲不晓得是那个,但是把屋子扫了,还给我做了味道还可以的饭。
きれいな家でおいしい晩飯を食べると、まるでお前と夫婦になった様な気分だ。
到正常的屋子里面正常的吃饭,有种我和你结婚一样的幻觉。
こんな事が、毎日毎日続くといいな」
要是每天都这样子就好了。
息子はそう言って、満足そうに寝ました。
他屋儿这么讲,舒服了困了。
それから次の日も、その次の日も、不思議な事に息子が仕事を終えて家に帰って来ると、家の中がきれいに掃除されていて、ご飯の仕度が出来ているのです。
那后面第二天第三天,他屋儿一回来,不可思议的屋里都遭扫了一遍,而且饭也作好了。
(これは、どういう事だろう? まさか村の娘の誰かが、やってくれているのだろうか?)
这到底是怎么回事,韙村里面那个女的给我作的?
次の日、気になった息子は仕事に行くふりをして家を出ると、すぐに戻って家の二階に隠れました。
第二天次日,此事有点挂心的他屋儿假装是出去作事了,把门一拉过不了好久又偷偷摸回来,躲到屋里的楼上。
お昼頃、息子がふと気がつくと、家の中にはいつの間にか一人の美しい女の人がいて、家の中を掃除したり、囲炉裏の鍋に湯をわかしたりしていたのです。
快差不多中午,等他儿发现的时候,屋里不晓得什么时候已经多一条女的了,到屋里扫地又到火塘里面烧开水。
びっくりした息子は、思わず二階から声をかけました。
他儿稍微遭骇一下,不小心从楼上发出声响了。
「あの、あなたさまは、どこのどなたですか?」
哎,这个,问一下怎么称呼?
「きゃあっ!」
惊异发声状
突然声をかけられてびっくりした女の人は、足を滑らせて火をたいている囲炉裏の上に倒れてしまいました。
突然被搭话女的也遭骇了一下,脚不小心一滑人摔到燃到火的火塘上面去了。
「あっ、あぶねえ!」
啊,危险,好甚点!
息子はあわてて二階から飛び降りましたが、女の人は囲炉裏の火に包まれたかと思うと、一瞬のうちに消えてしまいました。
他屋儿虽然事急忙急事从二楼冲落来,女的遭火塘的火一围,已转瞬消逝了。
「どういう事だ? それにあの女、どこかで見た顔だったが」
这到底是怎么回事,而且那个女的好像到哪里看过。
息子が首を傾げて何げなく壁を見てみると、壁にはってある錦絵の女の人のところだけが、真っ白になっていたのです。
他屋儿脑壳一转不自觉了看了一下墙壁,画中原本绘有长的好乖女人的所在,已是一片空白了。
「これは! ???そうか、そうだったのか」
竟是此事,哎,也罢。
なんと錦絵に描かれた女の人が、お嫁のいない息子をふびんに思って絵から抜け出していたのでした。
原来是画中佳人怜他屋儿不悯化形而现。
それから息子は何年も何年も錦絵の女の人が現れるのを待ちましたが、錦絵の女の人は二度と現れず、錦絵は白いままでした。
那之后他屋儿也是留存一丝念想,一直等一直等,等了好了多年,然而画中女子却是再未出现过,锦绘就那么一直白了落下。