竹から生まれた女の子
竹子中生出的女孩
むかしむかし、あるところに子どものいない、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
很久很久以前,有一个地方住着两位没有孩子的老爷爷和老奶奶。
「なあ、ばあさん。わしらにも子どもがあると、どんなにいいだろうね」
“哎,老太太,如果我们有孩子的话,该多么幸福啊!”老爷爷对老奶奶说。
「そうですね。でも、わたしもおじいさんも年ですから、もう無理ですね」
“是啊,但是我和你都上了年纪,已经不可能有孩子了。”
「そうだな。寂しいことだ」
“也是啊,真凄凉啊~”
そんなある日の事、おじいさんが山へ竹を切りに行くと、何と竹の切り口から小さな女の子が飛び出して来たのです。
这是某一天发生的事。老爷爷去山里砍竹子,不知怎的从竹子的切口里出现了一个小女孩。
「おおっ、これは神さまが授けて下さったに違いない」
“啊!这一定是神灵赐给我们的!”
おじいさんは大喜びで女の子を家に連れて帰ると、それはそれは大切に育てました。
老爷爷非常高兴的把这个女孩带回了家里,并且很珍惜的养育她。
女の子はすくすく育って、やがてとてもきれいな娘になりました。
女孩茁壮成长着,不久之后长成了一位很漂亮的女孩。
ある日、娘が言いました。
有一天,女孩说:
「おじいさん、おばあさん、わたしに機織り(はたおり)をさせて下さいな」
“爷爷奶奶,请给我一台织布机吧。”
「ああ、いいとも、いいとも」
“啊,好的好的。”
おじいさんはさっそく町へ行って、機織り道具を買いました。
老爷爷立刻去镇上买了织布的工具。
そして娘は、機織り道具を自分の部屋に置いてもらうと、
然后女孩把织布的工具放进自己的房间,并请求他们说:
「お願いですから、どんな事があっても、機を織るところを見ないで下さいな」 と、頼みました。
“我恳求爷爷奶奶,无论发生什么事,我织布的时候请不要看。”
それから何日かして、娘は出来上がった布をおじいさんに渡して言いました。
从那天开始过了几日,女孩把织好的布交给老爷爷并说:
「これを、町で売って下さいな」
“请把这些布拿到镇上去卖吧。”
その布は、たちまち高いお金で売れました。
这种布不一会儿就卖了很多钱。
おじいさんは布が出来るたびに町へ売りに行き、たくさんお金をもらって帰ってきました。
老爷爷每次拿着织好的布去镇上卖,都会卖了很多钱回家来。
おかげで貧しかった家も、みるみるお金持ちになりました。
多亏了女孩,这个贫困的家转眼之眼也变成了有钱户。
「それにしても、何て不思議な布だ。売った人に聞いたが、あの布で着物を作ると心まで温かくなるそうな」
“不过,这是多么不可思议的布啊。听卖布的人说,用这种布做成衣服,好像心中都会变得很温暖。”
「ほんにのう。いったい、どうやってあんな布が織れるのでしょうね」
“真是呢,究竟怎样织成那样的布的呢?”
おじいさんとおばあさんが、そのわけを娘に尋ねても、
即便老爷爷和老奶奶因此而问女孩,但女孩只是说:
「はい、『おじいさんもおばあさんも幸せなれます様に』と、神さまにお祈りをして、一生懸命織るだけですわ」と、言うばかりです。
“嗯,我只是向神灵祈祷爷爷和奶奶能生活的幸福,然后努力地织布而已。”
でもある日、とうとう我慢出来なくなった二人は娘との約束を破って、こっそり娘の部屋を覗いたのです。
但是有一天,终于忍不住的两个人打破了和女孩的约定,偷偷地看了女孩的房间。
すると、どうでしょう。
于是,发生什么事了呢?
部屋の中では小鳥が一羽、自分の柔らかい羽を抜いて、それを布に混ぜながら機を織っていたのです。
发现房间里面有一只小鸟在拔自己柔软的羽毛,把羽毛和布混在一块用机器织。
小鳥はすっかりやせこけて、羽はすっかりボロボロです。
小鸟瘦骨嶙峋,羽毛掉完了。
「まさか、あの娘が小鳥だなんて」
“难道那个女孩是小鸟?”
二人は思わず、顔を見合わせました。
两个人不由得面面相觑。
その途端、小鳥は、「ピィー」と、悲しそうに鳴き、そのまま外へ飛び出して山の方へ飛んで行きました。
那时,“啾~”伴随着悲哀的鸣叫,小鸟就飞往山的那个方向去了。
「ああ、娘や。約束を破って悪かった。謝るから、帰って来ておくれ」
即使他们说“啊!女儿啊,打破约定是我们不好,我们道歉,你就回来吧。”
でも、小鳥は二度と帰っては来ませんでした。
但是,小鸟也不会再回来了。
こうしておじいさんとおばあさんは、また子どものいないさびしい毎日を送る様になりました。
这样老爷爷和老奶奶又变得没有孩子了,每天都寂寞的生活着。